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マクロの眼

プロジェクトエンジニアを僭称(?)中

(Facebook転載)ドモホルンリンクルとCRMのナゾ

笠間がWaseda Business Shcool 時代にマーケティングに師事したのは木村 達也先生だったのですが、ここで「CRM(Customer Relationship Management)」と「FGI(Forcus Group Interview)」という、二つの重要なスリーレターコードを学んだですよ。通常授業を受けただけでは、なかなかビジネスの現場に反映するのは難しいもの。

ところがCRMやFGIは、今や復興現場では重要なキーワードになりつつあると感じています。

毎年6月恒例の西方視察旅行ですが、まさにこの西日本は「地方であるから」こそCRMやFGIの手法が日本の最先端と言えるほど発達しております。笠間は「HRM」のゼミに所属していたのですが、熊本で再春館製薬の視察旅行が木村ゼミであり、それは他ゼミ生も同行できたようなので、当時あまりにお金がなく断念。非常に悔しい思いをしました。

その無念をついに5年たって晴らしたですよ。

そしてそこで見たのは、驚愕の様子だったのでした。

2015 June 9

【CRMに東北の未来を見た】
先週熊本にて、再春館製薬所へ視察に行ってきたですよ。

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いわゆるドモホルンリンクルの水滴が落ちるのを見に行った、のではなく、自他共に「コアコンピタンス」であると認め、その「CRM(Customer Relationship Management)」の象徴であるオペレータールームを見に行った訳です。
そしてそこで見た光景は、「圧巻」の一言。

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全国展開しているこの企業は生産、経営、顧客サービスの全ての機能を熊本市においているという事実。
電通博報堂を呼びつけ、担当者は熊本になんと200日も出張しているんだとか。

震災復興の中で工場を震災前よりも大きく新設した結果、「過剰設備」で悩む被災地各社。
早晩、それらをフル稼働させるために、地道な販路開拓に加え、高度なCRM機能(顧客マネジメント)を備えた強大な通販システムを構築し、全国を相手にする必要があるでしょう。そしてその維持には、大量のオペレーターなどの雇用が生まれる。

この写真の中に、実は社長の机と社長が写っています。「オペレーター空間の中に社長の机がある」。
彼らが自分たちのビジネスで何が大切なのか、よく分かっているというわけです。

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これまで震災商業復興はファイナンスとマーケティングが主戦場でした。
しかし、「一件一件丁寧にチャンネルをこじ開ける」だけでは、限界を感じてきております。

カサマは復興の「次の5年」のプロセスでは、この「CRM」と「HRM(Human Resource Management)」の2つが主戦場だと、現場で感じております。
それはITと人財活用の融合でもある。
そしてオペレーターと生産システムの統合は、東京よりもむしろ人件費と地価が安い地方都市でしか成り立たない(と再春館製薬所の方も言っていました)。

あの圧倒的に広大なオペレーションルームを見た時、ここに東北地方の復興の「仕上がり像」を見た感があったのでした。

<追記>

2年前にも当ブログに「馬路村のナゾ」を掲載したことがありましたが、西日本は「ゆず」や「はちみつ」などの農産物を中心に、東日本に比べFAX通販を発祥としたCRMが妙に発達している印象があります。

http://www.areamark.jp/blog/kasama/2013/12/fb-1.html

自他ともに「田舎の中の田舎」を自任する我らとーほぐ人ですが、実は世界最大の都市であるTOKYOに直結しているという物理的な優位があります。その優位性こそ、西日本に比べCRMなどのビジネスモデルへの感度が鈍かった背景に思えます。

だがしかし、戦争の世紀であった20世紀は終わり、21世紀はインターネッツの時代

確かに容易にマネはできない強大な先行者はいるものの、今スタートしないと永遠に差が縮まらない。確かに一社のブランドで育て上げるのは困難だが、いくつかのブランドを育てて束ね、21世紀型の地域商社機能を構築すればあるいは・・・。

この記事を書いた人

笠間 建

笠間建 (コミューナ・トランスレーション・デザイン有限責任事業組合)

事業連携担当。
プロジェクトエンジニアを僭称(?)中。PEは本来は工場オペレーション用語ですが、調査分析・事業企画・計画・実行など、プロジェクト全般を広義に「エンジニアリング」してきたキャリアパスで、他に良い表現が見つからないので。2008年9月から2010年8月まで、社会人学生として東京で貧乏大学院生生活を送っていましたが、2010年9月に無事修了して仙台に戻ってきました。
趣味は自転車、旅行、写真。

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