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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2016年9月のアーカイブ

先日の組合の時に、私の周りでちょっと話題になった「州」の話です。

「~州」と言われたときに、
①「信州」「甲州」等の日本国内の地域を思い浮かべる
②「欧州」「豪州」等の世界の地域や国を思い浮かべる
のパターンがあって、これがゴッチャになって勘違いを起こす話でした。

つまり、「豪州産」の牛肉を、「(日本)国産牛」だと思っていた人の話で。

で、それほど気になったわけでもないのですが、
サタケ君が「そういうのは、サイトウさんのブログで書いてもらえば・・・」
等と、名指しで命令してきたので、仰せの通りに調べてみました。

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そもそも「州」は、川の中に生まれた陸地を表す象形文字なので、
川から川までの区画、ひいては周りを海(水)に囲まれた区画を
表す表現と解釈してよさそうです。

「州」は「洲」と書く場合もありますが、そもそもが「川の中州」から始まったのが、
こうした行政区画的な使い方が定着したために、わざわざ「実際に水に囲まれている地域」
を強調して表現するために「中洲」「三角洲」(どちらも「州」でも正解)等
「サンズイ」をつけて書いたりしますが、ある意味重複表現ですね。

「州」は「しゅう」の他「す」「くに」「しま」とも読み、
まさに地域を表す言葉です。


大州

世界の大陸をそれぞれ「州」として呼ぶ場合は、大陸ごとに分けて呼ぶそうです。
表記は次の通り。

アジア州・・・・・亜洲(あしゅう)・・・・・・「亜細亜」の「亜」
ヨーロッパ州・・・欧州(おうしゅう)・・・・・「欧羅巴」の「欧」
アフリカ州・・・・阿洲(あしゅう)・・・・・・「阿弗利加」の「阿」
アメリカ州・・・・米州(べいしゅう)・・・・・「亜米利加」の「米」
オセアニア州・・・大洋州(たいようしゅう)・・大洋にある国の意

以上が「五大州」で、
「米州」を南北に分ければ「六大州」、南極まで入れると「七大州」と言うそうです。


ここで、色々突っ込みどころがありますよね。
①「亜州」と「阿州」って、読みが同じで分かりにくい。
 →だからあまり使われないのか?!
②「亜米利加」の「亜」が「亜細亜」と被るから2文字目で「米」だったのか?
 →「阿米利加」の表記もあったが、こっちでも「阿弗利加」と被った?
 →「安米利加」と当てていたら、今頃は「安州」で「安国」(あんこく)とか呼んでいた?
③オセアニアは何故「大洋」?
 →オセアニアは「Oceania」。つまり「Ocean」(オーシャン)の国。
  で「大洋州」。こここだけ直訳なのね。
④「豪州」はどこに行った?
 →オーストラリアのみを表すのが「豪州」。
  表記は色々あるけど「豪斯多剌里亜」とか書いたので「豪」。


国としての名称

基本的に、国名の漢字表記の最初の一文字に「州」をつけて、
その国表記とするものがあります。

海外の国では、前述の「豪州」他にも
カナダ・・・「加奈陀」・・・「加州」
とかありますが、大概は一文字表記のみで「州」をつけての表現は
あまりないようです。

日本国内の例

一方、日本国内では、「六十余州」という位で、各地域で使われました。

信濃の国・・・「信州」
武蔵の国・・・「武州」
陸奥の国・・・「奥州」
紀伊の国・・・「紀州」
甲斐の国・・・「甲州」
あたりがメジャーでしょうか。

国名の一文字目を取って「州」をつけるのが原則ですけど、
単純にそうはいきません。
かの43代元明天皇が発令した「好字令」(国の名前とかは、良さそうな二文字で書けよ!)
の影響で、とにかくみんな無理矢理に二文字地名になったもんだから、
一文字目に同じ文字を使っている国が出来てしまいました。

なので、区別をつけるために二文字目を採用した例も多いです。

伊賀の国・・・「伊州」(一文字目)
伊豆の国・・・「豆州」(二文字目)
伊勢の国・・・「勢州」(二文字目)
伊予の国・・・「予州」(二文字目)

伊賀が「伊州」と「伊」を確保できたのは、
加賀の国・・・「加州」との区別とも。

もちろん「九州」も、「九つの州(くに)」があったから。
「筑前」「筑後」「肥前」「肥後」「豊前」「豊後」「日向」「大隅」「薩摩」
の九つ。
「前」「後」が付いているのは、当然、元は一つだったのが別れたから。

ちなみに「築」は「筑紫の国」、「肥」は「肥の国(火の国)」、
「豊」は「豊の国」が元だったので、それぞれ、
「築州」(ちくしゅう)「肥州」(ひしゅう)「豊州」(ほうしゅう)
と呼ばれていた時もありました。

それから、前述の例で挙げた、我らが「奥州」。
元々の「道奥」(みちのく)が「陸奥」(みちのく)へと、
「道」が「陸」に代わった理由はよくわからないそうですが、
「陸奥」で「みちのく」と読むようになり、
何故か、略称は「奥州」と二文字目採用が定着してます。
「道」だか「陸」だか、迷ってるよりも「奥」でいいんじゃね?
みたいなノリでしょうか。

「陸」がどこかと被っていたのか調べたら、
元々は「陸州」(りくしゅう・ろくしゅう)と呼ばれていたそうです。
→「ろくしゅう」と読むと「六州」と書きたくなる。
→「州」は「くに」なので「六州」は「むつ(むっつ)のくに」
→「むつのくに」は「陸奥(みちのく)の国」
→だから「陸奥」と書いて「むつ」と呼ぶようになった。

という説もあります。

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他に、アメリカでの「州」の考えとかありますが、もう長くなったので、
この辺で。


サタケ様、よろしいでしょうか?

IMG_6993.JPG写真は、本文と関係ありませんが、
荒井駅の近く?にある「浪分神社」

いや、本当に全く関係ないですけど、
たまたま行ったものですから。

と、言えば、
私よりも上の年代では、まず最初に「007」ですよね。
ジェームスボンドが活躍するシリーズの第3作。1964年イギリス公開、翌年日本公開のヒット作。
「ゴールドフィンガー」は敵役の名前でした。

私より下の年代では、「郷ひろみ」の「ゴールドフィンガー'99」でしょうか。
「ア~チ~チ、ア チチ~」と唄っているアレですね。

でも、今回の話は、「ブドウ」です。

先日、山形にドライブに行き、フラッとブドウ狩りなるものを初めて体験してきたのですが、
その時にそのブドウ狩り園で、1本だけあったのが、「ゴールドフィンガー」という品種でした。
それが、これ。

ゴールドフィンガー.jpg

指のような形をしているので、この名前がついたのだそうですが、
これが、ウマイのです。

皮ごと食べられて、種無しで、酸味が少なく甘いので、
ものすごく食べやすくて、私の中で超お気に入りのブドウにランクイン!

時期的には、8月の下旬前後がピークとのことで、
私が行ったときは、もう終わりの頃で、
最後の実が房に歯抜けの状態で残っているカンジでした。

それでも、他の品種は1房単位で取らないといけないのが、
この品種は、1粒単位で取っていいという事でしたので、
「ひょいパク」が止まらず、他の品種も4種類くらいあったのですが、
8割方「ゴールドフィンガー」ばかり食べてしまいました。

戻ってから調べてみると、栽培が難しく、出荷の際も慎重に扱わないと、
房から実がとれてしまったり、大きくなりすぎて実が太くなるとタネが入ったりと、
なかなか手間がかかる事も有り、超高級品種であまり市場に出回らないとのこと。

1kg、2~3房で2000円程で販売しているというサイトも見かけましたが、
それもブドウ園での販売価格で、流通しているのを見かけたとしても、
それ以上に高いのかも。
高級ブドウの代名詞、「巨峰」でも1kg、1,000円強ぐらいですから、
確かに超高級。


来年も忘れずに食べに行こうと思っていまして、
本当に忘れてしまわないように、このブログに記録しておこうという事で、
このお題にしてしまいました。


私が行ったブドウ園は、
1時間、4~5品種のブドウ、及び桃(今年は超不作らしいです)やプラムが食べ放題で、
大人1人900円(道の駅等にある割引チケットで100円引き)の
山形にあるブドウ園でしたが、「ゴールドフィンガー」を1房分食べれば、
ほぼ元がとれるという計算になります。


「ゴールドフィンガー」をもし見かけたら、ぜひお試しください。
おススメです。高いですけど。

尚、「マニュキュアフィンガー」とか「レディフィンガー」という似た名前の品種や
「ニューナイ」「ピッテロビアンコ」といった、似た色・カタチの品種もあり、
これらの味がどうなのかはわかりませんが、いずれも珍しい品種なので、
見かけたら試してみようかと思っております。

この記事を書いた人

斉藤 一則

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