スペインはカトリックの国です。
イエスの死までの受難と、その後の復活を祝う
semana santa(セマナ・サンタ)
は この時期にあって、
復活祭に合わせて毎年日が変わるのですが、
大体3月下旬から4月中旬です。
スペインの中でも、
巡礼の道の最終目的地であるサンティアゴ・デ・コンポステラ
(ガリシア地方。聖ヤコブの墓があるとされている)や
かつての西ゴート王国の首都トレド(カスティージャ=ラマンチャ地方)など
カトリックの色が濃い町では、セマナ・サンタの規模も大きく、
アンダルシアでもセビージャや私の故郷マラガのものは
全国的に有名です。
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もちろんこのときも1週間まるまるお休みになるわけですが、
私たち音楽家には、まず大変な季節になりうるのです。
教会で聖歌を歌う!!
合唱ではやれマタイ受難曲やらレクイエムやらを歌う!!
コンセルの合唱の授業だって、
ここに焦点を当てて練習回数が増える!!
学校の外でも合唱隊やら重唱グループで歌っていた私は
この時期はなんだかいつも面白い体験をしていました。
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街中のありとあらゆる教会から
聖母マリアを祀った御神輿とイエス・キリストを祀った御神輿を
行列が守りながら巡回します。
受難の一週間は聖金曜日に向け日に日に重い空気を纏い、
三日後の日曜日に復活します。
行列には、御神輿を担ぐ男衆や、清めのお香を振りまく女の子の他に
鼓笛隊などが含まれ、
演奏する曲もどんどん重く悲しくなっていくのです。
コンセルの管楽器専攻の友達はみんな駆り出されて、
「大変!」
って言ってました。
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そういえば、2004年に私が初めてスペインの土を踏んだ日は、
ちょうど聖金曜日だったのですが、
(しかもほんとにちょうど8年前の今日!4月9日!)
夜中に到着したことに加え、なんと土砂降りのひどい雨だったので、
確か、御神輿・行列が出られなかった、なんて話を聞きました。
信仰心がいくら厚くても、自然現象にはかないませんね。