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建築と風景

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2015年6月のアーカイブ

■空き家対策

今年の3月、当組合の松本代表理事がブログに掲載した「空き家対策特別措置法」が施行されました。法の概要は、①地方自治体の指導・勧告・命令が可能となり、解体や除却などの強制執行が可能となる。②今まで優遇税制が撤廃された空き家を放置すると、固定資産税が6倍となる。空き家.jpg

2013年には全国で820万戸(空き家率13.5%)、今後も増え続けることは確実です。農村部のみならず、都市部を含めあらゆる地域に広がっています。空き家の増加は危険防止・防災の観点のみならず、地域の活性化のためにも地域社会で取り組むべき課題です。

先日、仙台市内の住宅地で空き家になっている建物があり、「グループホームとして利用できないか?」との相談が某社会福祉法人からありました。(※グループホームとは、認知症の高齢者や障害者が5~9人程度で共同で生活する施設) 関連法規制に関して、市役所の関係各課との協議をしましたが、現時点では「グループホームとしては利用できない。」との結論でした。(当該地は「地区計画」により住宅以外は建てられない地区。よってグループホームは「寄宿舎」であり不可。法規通りの回答)

建築基準法(昭和25年制定)の第1条(目的)には、「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。」と定められています。 長崎のグループホーム火災や川崎の簡易宿泊所火災などを教訓に生命、財産を守るために制定された法令を遵守しつつ、法の取り扱いについても、時代に合致した見直しが必要になってきていると実感しました。法の主旨を踏まえ、柔軟な対応をする事で空き家の増加が押さえられると考えます。

空き家対策は簡単なものではありませんが、所有関係の複雑さ、有効な対策手法の不足など「所有者」「地域」「行政」にとっての困難な事情を社会全体で連携を取り合いながら解決を図る必要があります。

※写真は空き家ではありません。

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高橋 宏一

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