7月1日
【水無月大祓】
それは実に不思議な光景でした。
白装束の男たちに続き、100mはあろうかという列が、無言で「草の輪」を静かに潜る。
しかし雨の中、誰とも言わず潜る時には傘を畳む者、時に潜る前に一礼する者。その時各個が思い思いに「礼」を尽くす、自然と決まった全体の秩序がある。
その景色は見方によっては珍妙であるとすら感じたが、しばらくその様子を観察して気づきました。
ああ、これは「巡礼」なのだ。
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教のような西欧の宗教のように、これは東洋の神聖な巡礼なのだ。
雨音の方が大きいぐらいの、その静かな巡礼が行われる空間に、しばしその余韻に浸りながら、私も傘を畳み、その景色の一部となるため、ずぶ濡れになりながらシャッターボタンをひたすら押し続けるのでした。
<補足>
2年ほど前にも本ブログで「(FB転載)どんと祭、時は来たりのナゾ」として、大崎八幡宮を取り上げたことがありました。かつて大崎八幡宮は仙台七夕に次ぐ、仙台で2番目の集客があった「仙台市民の祭り」だったわけで、すなわち大崎八幡宮こそ、米沢で言うところの名古屋で言うところの熱田神宮、盛岡で言うところの盛岡八幡宮、米沢で言うところの上杉神社みたいな、要は「市民がみんな何かの機会に行く神社仏閣」ポジションだったと思うんですね。
市域もここまで広くなり、いまや「センダイジン」も多様になっているので、必ずしも何でもかんでも大崎八幡宮である必要はないとは思うのですが、わりと「写真映え」するエリアやイベントがある。しかし、このSNS時代でも、私の周りではほとんど大崎八幡宮が登場することはないんですね。
大崎八幡宮のHPはスマホ非対応ですし、SNSは未運用。あまりWeb発信は力を入れていないようですが、一方でFacebookのスポットに上がっている投稿やGoogleの評価など、最近はほとんどが外国人という。
何かこう、仙台市民に再浸透させるか、或いは観光客などの市外の人にも知っていただくのか、少しターゲッティングしながら広報にほんのちょっと力を入れるだけで、「古くて新しい仙台の文化」に復権するように思うのでした。