前回ブログに引き続き、9月の「征西作戦」ネタ。例のごとく九州がメインだったのですが、関空経由で九州入りするため、一日京都で「老舗和菓子店」の視察を9軒入れたですよ。
仙台にも100年を超える企業は、伝承千年の佐勘さんをはじめ意外に存在し、そうした老舗企業の支援に備えるため、今回は寺社仏閣と縁の深いお菓子屋さん、いわゆる「調進所」を廻って、その老舗ブランディングのナゾを秘密裏に探ったですよ。
よってその旅の名も「京都老舗菓子店連続殺人事件『華やかな烏丸御池の菓子屋の美人女将の裏の顔...密室に三匹の猫トリック!千年菓子屋のナゾ』」と、カモフラージュ。
2時間サスペンスドラマの題名みたい、という突っ込みは禁止である。
9月19日 · 京都府京都市 ·
【御所御用達】
うおおお!
京都御所の南にある創業350年の松屋常盤の「味噌松風」、ゲットだぜっ!
見よ、この白暖簾。
これはつまり、禁裡御用達、天皇家に納めてたって訳だ。
京都でもほとんど無い。
しかも「山城大掾(だいじょう)」と、未だに官位を示し、それが街角にさり気なくあるとは、さすがは平安京だぜ・・・。
今は21世紀の未来ですぜ?
という訳で、もう今日の仕事は終わりにしてもいいですかね?
なんか京都に降り立って咳が悪化したし、雨は降ってくるし・・・。
(補足)
あ・・・ありのまま 今 起こった事を話すぜ・・・!
「禁裏御用達の松屋常磐のお店の中に入ったら土間になっていて、商品がおいていなかった」
な・・・ 何を言っているのか分からねーと思うが、俺も何をされたのか分からなかった・・・
恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ...
というわけで、松屋常磐の衝撃は、そもそもお店に商品がおいておらず、土間で頼むと後ろの居間から商品を持ってきてくれるという流れ。
こ、これが京都の老舗の特有の作法なのか・・・!?
単に陳列商品在庫が切れていて後ろから取ってきただけかもしれませんが、どうも玄関から入った様子がお店らしくない。
なるほど、確かに「見世棚(みせだな)」ができたのが鎌倉時代で、それが「店」になって一般化したのが江戸時代であるが、元々が朝廷に納める官需対応BtoB型ビジネスだったことを考えると、「見世棚」が店内にないのもあり得る。このシンプル極まりないパッケージデザインも、松屋常磐さんの業務用納品箱だと考えると、合点がいく・・・。
そんなことを考えながら、今宮神社方面に向かって、本京都視察の最大の目的である「一和」に到着。
【千年企業】
今宮神社に隣接する、現存する我が国最古の菓子屋「あぶり餅 一和」で名物あぶり餅を食すなど。
創業西暦1000年。
何千万、あるいは何億本という小さな餅を、25代かけてあぶり続けて千年。
「一和」は「家族の生業」の範囲として、それを10世紀にわたり、ひたすら続けてきていたのだ・・・。
(補足2)
京都の創業300年以上の老舗を廻って気づいたのが、かなりの老舗がホームページはおろか、ブランドリーフレットや誘導サインなどもなく、そもそも看板すら掛けていないお店が結構あると言うこと。
一方でネットで検索すると、ホームページがない代わりに、そのお得意様をはじめとしたお客様のブログやFacebookやTwitterなどのSNSの投稿が引っかかり、他人からの名声でそのお店のブランド価値が発信されているという事実。自分からあからさまな情報発信したら負け・・・なのか・・・!
つまり・・・数百年前から・・・口コミと・・・シェアで・・・生き残ってきた・・・ということ・・・!
なるほど、であれば典型的なプロモーション手法である広告宣伝などの手法は効果が薄く、実は21世の未来のインフラであるインターネッツより生み出されたSNSは、圧倒的な口コミとシェアの広がりを持ち、むしろその老舗のバリューを確実なものにするに、強力な威力を発揮するかもしれない。そしてそのブランディングの手法は、地道な、そして些細な出来事をSNS上で慎ましく発信するような、情報発信のフリクエンシー・マネジメント(頻度管理)が主体となるだろう。
1000年の時を経て、その情報科学の発達で老舗のパワーが絶対的なものになるかもしれない。
意外な古代技術と未来技術の融合の様子を確認し、カサマは千年王城平安京をあとにし、九州へ向かうのでした。