カサマは震災以降に他地域から移住してきた方々の組織で、趣味で監事とか監査とかアドバイザーとかを引き受けているのですが、これはある行動原理によって実行されているですよ。
2015年11月30日
【一般社団法人NOOKと仙台原住民】
昨日せんだいメディアテークで、一般社団法人NOOKの設立記念パーティが開催されたですよ。
法人の詳細は下記のサイトを見ていただくとして。
http://nook.or.jp/hp/
要は震災で映像、写真、イラスト、文章と、全国から様々な作家が被災地に入って、それを「記録」してきたわけです。
まもなく5年が経とうというこのタイミングでその彼らが「集結」、「ドキュメンテーション」という手法で、震災に限らず民話や地域の記憶などを取り扱う組織が誕生したのは、実に興味深いことであり、またこの街にとって極めて重要な意味を持つように思います。
結局都市の底力というのは、いかに多様な人材が集うかだと思うわけです。
単に特殊な才能を持った個人ではなく、元々とーほぐ人でない(おひとり仙台出身か)にも関わらず「組織」を構築してこの地に根付こうということは、非常に偉大なこと・・・。
原住民である私やあなたが震災をきっかけに作った組織とは、訳が違う。
この街の真の復興のためには、元から仙台に住んでいた「原住民」であるところの我々市民は、こうしたニッチな世の中のニーズにこたえる組織を残すため、全力で支援する必要がある。
それがこの街の魅力につながり、あるいは都市間競争の生き残りの現実的な戦術なのだから。
<補足>
カサマは仙台の経営界においては戦術指揮官のような位置づけで、個人的に「カサマ機関説」とか言っているですよ。
そうした現場の立場と経験から、物事は放っておくと勝手に画一化・均一化してしまい、多様性(ダイバーシティ)は意図的に設計する必要があり、それを怠ると世の中や経営環境の変化の流れに組織がついていけず、弱体化を招くように感じるですよ。実際、多様性があると他の機能がバックアップしたり、相互に防御したりリスク分散したりして、組織の「強靭性」が増すような。
強くなるには多様性を受け入れるしかない。
なので、この街を強く豊かにしようとするなら、様々な分野で異質なものを組み合わせる必要がある。ところが現実世界では「異質なものが入ると不安定化する」ことに対する不安というか恐怖を感じるよう。面白いのが、国や地域の強さを強調する者の方が、なぜか他地域(外国含む)からの人材流入に不寛容だったり、異様に大した歴史もない慣習に固執すること。
都市の強さを維持するためには、内部の人材が外部の人材を積極的に受け入れ、新しいことにチャレンジするものを称賛する懐の深さが必要と、不肖カサマ、意見具申するであります。