このカサマ、そもそも最初に入った某A大学校では理工学部で敵にレーダー波をぶつけて距離を測(ってせん滅す)る研究をしていたわけですが、色々あって何故かここ東北最大の商都仙台で中小企業支援というやくざな商売をやっているですよ。
物事を見る際には科学者のように、物事を発信する際には文学者のように、をモットーとしているカサマ。
この分け方はあまり好きではないのですが、世間一般的には「文系」と「理系」の境界線を渡り歩いた「灰色のマーケッター」が、Facebookで地方都市と首都圏の商品開発文化について語っています。
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October 29 ·
【フォーカス・グループ・ミーティング】
本日都内某所にて、新商品の消費者反応を測るための「フォーカス・グループ・ミーティング(FGM)」を実施ッ!
しかも海外向け商材なので、英語進行ッ!
挙げ句の果てに、経費削減のため、5人乗ってレンタカー仙台東京間日帰り往復ッ!
まさに精鋭。
地方都市チームでこのプロトコルが運営できるチームは、そうそうおるまい。。
とはいえ、これ、マジックミラーになっていまして、向こう側からはこちらの観察部屋は全く見えません。
このような施設は仙台はもとより東北には皆無。
そして年間1000件の利用があるという事実、いやそもそもこんな施設の存在が、地方都市とTokyoとのマーケティング力の差・・・!
商業都市仙台にも必須の設備と思いますが、誰か投資してくれんかのう?
November 1 ·
【モニター試食会】
東北グルメバザールでは、東経連ビジネスセンターの支援の一環として恒例の「モニター試食会」が行われております。
東北の商材の多くが、ユーザー評価を行わないまま市場に投入されます。マーケティングが科学的に行われていない現状。
これが首都圏はもとより、九州や北陸の商材に(味とか品質とかだけではない)「商品力」で負けている大きな原因のように思われます。
今年度カサマは創業スクエアのFGM3回、宮城県OMSB事業でつい先日東京でやったFGM1回、そして東経連BCのモニター評価2回と、ユーザー評価の運営にかかわった数は倍増。
いわゆる「質的研究」手法が、徐々に浸透しております。
まだまだ少ないですが、震災以降の東北の商品開発文化が、少しずつではありますが、変わってきていることを感じますなぁ。
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カサマが某A大学校で、かなり最初の方の授業だったと思うのですが、ある教授に授業で「軍人である以上に科学者たれ」と言われ仰天し、その時もう一つ強烈に覚えているのは「計測なくして科学なし」というジュール=アンリ・ポアンカレのコトバの引用でした。
某A大学校は、初代校長のモットー「真の紳士淑女にして、真の武人たれ」が極めて有名ですが、それと共にかなり科学主義が言われておりました。
何をするにも「調査」「偵察」「分析」。
テーブルの施錠を忘れた際の反省文にも、「分析が足りない!」とシバかれたのは流石に辟易しましたが。
一般には、20世紀半ばに死者の50%の将兵が餓死した某極東のインペリアル・アーミーの無能な幹部群の反省によるもの、とされておりますが、その「ジェントルマン教育」と「科学教育」の策定には、実は旧制仙台二中出身(現仙台二高)にして、「最後の海軍大将」で海軍兵学校の校長でもあった井上成美(しげよし)と、同じく仙台出身の某A大学校初代校長槇 智雄の影響がかなり濃いと言われております。
戦後間もないころの、仙台出身の(元)軍事リーダーたちは、敗北の原因を「無教養」と「科学主義の欠如」と痛感したわけです。
ところがあの戦争で日本人の多くは、単純に敗因を「物量に負けた」と一般に認識しているようです。そのような認識ベースもあり、結局、商いの世界はもちろん、いや行政の商業振興の世界でも皇軍もびっくりな精神主義がまかり通っている感があります。
結局、敗戦ですら変わらなかったのだから、震災で商業の文化が変わるとも思えませんが、数十年単位の地道なマーケティング活動とその実績の積み重ねしか、意識の変化に結びつかないのかもしれません。
その点、トーキョーよりはむしろ仙台ぐらいの都市規模の方が、成功体験や成功事例が身近で共有し、商業文化が変わりやすいのではないか?などと、事例集の企画案を作りながら、科学主義を徹底してきた仙台人材の末裔としてちょっとだけ希望を見出した、2014年の年の瀬なのでした。