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ローカル・グローバル

多様性、国際化の視点からみた仙台・宮城のいろいろな話。

仙台とブリティッシュ・コロンビア

震災以降被災地では「この経験や教訓を世界へ」といったお話をよく聞きますが、もちろん海外の方々は被災地から色々学ぼうとやってきています。私も震災直後は海外のお客様というと報道関係の方が多かったのですが(BBC Radioは震災の2日後にはもう来てました)、半年も過ぎると防災担当者や研究者の視察をお手伝いすることが増えてきました。

その中でも私の知る限り(あくまで私がお手伝いした範囲です)最も頻繁に色々な立場の人がやってくるのがカナダのブリティッシュ・コロンビア州。

British_Columbia-map.png

赤くなっているところ、バンクーバーがある州ですね。これまで州の防災担当者、州の住宅担当、沿岸警備隊、検視官、地理学者、ジャーナリストなど色んな方々がいらっしゃいました。

なぜこんなに色んな人たちが来るかというと、ブリティッシュ・コロンビア州は今後数十年以内に大規模な地震・津波災害が発生するという予測があるんだそうです。ずっと「30年以内に99%の確立で大地震」と言われてた宮城県と似てますね。

ブリティッシュ・コロンビアでは、その沖合を震源に1700年「カスケード地震」という大きな地震とそれに伴う津波が起きているのですが、当時はまだネイティブ・アメリカンしか住んでいなかったので記録が残っておらず、なんで記録残ってないのに津波があったのが分かるかというと、その津波が日本にも到達してその記録が残っているんだとか。そんな状況なので;

1)日本のように頻繁には地震・津波がない

2)大きな津波の記録が残っていない

という理由で、また津波が来るのは分かってるんだけど防災のノウハウと防災意識はまだまだなんだと言っていました。視察や研究では、日本の建物の揺れへの強さに驚いたり、津波対策や経験談を学んだり、仮設住宅のマネージメントを学んだり・・・などなど、毎回とても意欲的です。先日は、2015年の国連防災会議の開催地が仙台に決まりましたが、すぐに「行くから!」とメールが来ていました。

被災地の経験が役に立てばと切に思います。

そして「学びに来た人たちを受け入れる」ことはもちろん、積極的に「震災の経験・教訓を伝える、発信する」ということをもっとやっていかねば、と毎回彼らに会うたびに思うのでした。

 

 

 

この記事を書いた人

齋藤 高晴

齋藤 高晴

調査役・販促制作担当。
翻訳・通訳と、映像を中心としたメディア制作などをおこなっています。震災後は海外の研究期間、防災担当者等の被災地視察のコーディネート・通訳もお仕事としていただくようになりました。

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