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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

LAZARO

先日、
古い家屋の解体の相談を受けました。

もう十数年使われていない家屋で、
多少の荷物が残っていました。

そこに置きっぱなしになっていたアップライトピアノが一台。
LAZARO1.jpg
ロゴを見ると、LAZAROと書いてありました。
IMG_4439.JPG
正直、聞いたことのないメーカーでしたが、
そもそもピアノメーカーというのがたくさんある事は知っていましたし、
ネットで調べれば、すぐわかるだろうと、思って検索しましたが・・・

全くヒットしません。

散々探し回って、
世界中のピアノメーカーが、
約1930社もリストされている凄いピアノ調律師の方のサイト
でも調べましたが、
その中にも出てこないのです。

古いものですし、永らく使用されていない物なので、
最終的には処分する事になるのでしょうが、
万万が一にも、何か謂れのあるものだとしたら、
軽々に処分をオススメするのも気が引けますので、
いずれ、専門家の方に確認してみようと思いますが、

もし、何か情報をお持ちの方がいれば、教えてください。

で。


この「LAZARO」を調べていて、知った事が、
今回のメインネタです。

「ピアノメーカーはたくさんある」
と言う知識はあった、と先に書きましたが、
それは、私が少しだけ音楽的なことをやっていたので、
音楽ホール等で様々な名前のピアノを見たことがあったからです。


国産ピアノメーカーで言えば、世界に名だたる
「YAMAHA」「KAWAI」は、
当然今も健在なので、普通にあちらこちらで見かけますし、

世界三大ピアノメーカーと言われる
「STEINWAY&SONS」(スタインウェイ&サンズ:アメリカ)
「Bosendorfer」(ベーゼンドルファー:オーストリア)
「C.BECHSTEIN」(ベヒシュタイン:ドイツ)
などは、目にする機会は少なくても、
話しとしては、よく聞く名前です。

その他でも、私が見た事のある名前では、
「APOLLO」とか「BOSTON」とか「OLIMPIC」とか
「ZENON」とか「ATLUS」とか「BROTHER」とか、ありましたが、
調べてみると、これ、全て日本のメーカーでした。

でも、まぁ、なんかこれくらいは、
カタカナとアルファベットにカッコよさを感じていた
当時の日本のメーカーでも付けそうな名前な感じ。
(全くの個人的見解ですが。)

でも中には、こんな名前の物も。

「KREUTZER」(クロイツェル)
「SCHWEIZERSTEIN」(シュバイツァスタイン )
「PLUTHNER」(プルツナー)
「BALLINDAMM」(バリンダム)

これはさすがに
日本製のブランド名とは思えないって!


現在、日本でピアノを製造しているメーカーは、
先の「YAMAHA」「KAWAI」を含めて10社ほどだそうですが、
かつては250社位あったそうです。

その250社がしのぎを削るなかで、
少しでも良いイメージを持ってもらうために、
それこそ「世界三大メーカーっぽい」名前を
付けた結果なのかなぁ、と想像します。

なんというか、現在、海外のメーカーの方が、
「Made in Japan」のイメージを利用しようと、
なんとなく日本名っぽい商品名をつけて販売しているのを見て、
「なんだかなぁ」と思っていましたが、
日本でも、思いっきり、
似たような事やっていたんだなぁ、と、しみじみ。
(ピアノのブランド名という分野だったのは発見でしたが。)

でも、結局残っているのは、
純日本名っぽい、「YAMAHA」「KAWAI」だったりもするし、
それこそ世界三大メーカーの一つの「Bosendorfer」(ベーゼンドルファー)は、
今や「YAMAHA」の子会社ですし。


はからずも
「名前だけ、それっぽくしてもダメだよ」
「ホンモノを作り続ければこそ、一流になれるんだよ」
と、いうような教訓を得た感じがしました。


それにしても謎なのは
「LAZARO」

もしかして、これも国産のメーカーだったりするのかも。
次に確認する機会があったら、中の方まで見てみたいと思います。


PS.(ここまでの話と全然関係ありませんが・・・)
2021.10.14のエリアマークのブログ
 座敷蔵のあるゲストハウス(上越市) というI社長のブログで
「立派なお庭に、何故、灯篭があるのか、Sさんが興味持って調べるのでは?」
との文章がありましたが、この「Sさん」、たぶん私ではないと思いますが、
一応、コメントを。

そもそも、「立派なお庭」が「日本庭園」ならば、「灯篭」はつきものです。

「灯篭」は文字通り、「灯り」(あかり)の「篭(籠)」(かご)として、
飛鳥時代には、日本に渡来しています。
当然に、中に「灯り」を入れて、暗い夜道や参道を照らしたり、
仏に清浄な灯りを献上する「献灯」のための道具でした。

もちろん、このようなものを作れるのは、偉い人に限られ、
金と権力のある方々が建立する神社仏閣に設置されていくわけですが、
そういうところには、立派なお庭もあるわけで、
次第に、お庭を照らす装置としても使われはじめ、
定着していったものと思われます。

元々の機能として、夜の庭園を照らし、
足元の灯りとして、
また、ある種のイルミネーションとして
夜景を愛でることも有ったでしょうし、
昼は昼で、置物、オブジェとして、
その庭の所有者の権勢を表すものとしても
立派なものがつくられ、設置されたと思われます。

ブログにあった柳精庵さんの「灯篭」は、
「竿」と呼ばれる柱状の部分が円柱で、
その他の「笠」「火袋」「受け」「地輪」が六角形なので、
いわゆる「春日灯篭」と思われます。
「春日灯篭」はこの形の灯篭が、奈良の春日大社に多くあることから
この名前で呼ばれますが、
春日大社では、軒下に吊り下げるタイプの吊灯篭も多く、
これも「春日灯篭」と呼ばれることがあります。

「春日灯篭」自体は、大変ポピュラーなものなので、
お庭のサイズにもよりますが、多くの日本庭園で見られるものです。
柳精庵さんのお庭全体のサイズ感がわからないですが、
回遊できる通路があるほどならば、
何か所かに灯篭が置かれているかもしれませんし、
他の形式の灯篭もあるのかもしれませんが。

火を入れた灯篭に照らされたお庭を眺めながらの夕食と言うのも、
今どきのLEDガーデンライトよりも情緒があって、
良いかもしれませんね。

以上。

この記事を書いた人

斉藤 一則

斉藤 一則(株式会社マイザ)

事業企画担当。
遊休地や低利用建物の効率化提案から賃貸管理・リフォームサポートまで、建築・不動産関係が専門。
旅行好き。

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