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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

五味

先日、弊社管理の賃貸物件で「ゴミステーション」の新設をしました。
小型の賃貸物件の前などで見かける、こんな感じの物です。
IMG_4161.JPG

ゴミ置き場に出されるゴミを散らかすカラスへの対策で、
入居者さんに色々ご協力を頂いたり、ネットをかけたり、
ネットの縁が開かないように押さえるものを工夫したり、
色々やってみたのですが、結局、こういうものの設置を
オーナー様にお願いしてご了承いただきました。

カラス対策に限らず、色々な形でゴミ問題はあるのですが・・・・
と、
ここまでの文章で「ゴミ」とカタカナで何度も表記しているうちに、
例によって本題から外れ、
また、ふと、「ゴミ」って何語?と、思ったわけです。

調べてみると、まちがいなく日本語で、
「塵」や「芥」の表記でも「ゴミ」と読み、
元は方言で、「木の葉」や「落ち葉」のことを「ごみ」と言っていたとか、
1960年代にどこかの行政が「ごみ箱」に「護美箱」の文字をあてて、
「仰々しい!」と当時は批判を浴びたけど、未だに使われてるとか、
そういう情報に行きつきました。

元が「木の葉」なら、「ごみ」は元は「こみ」で、
「こ」=「木」だったんですかね。
「木の実」も「このみ」って読みますしね。

などと、書き進めましたが、
「思ったほど広がらない話題だったな」などと、
またぞろ余計な思いがよぎったところで、ふいに思いだしたネタが一つ。

・・・あれは学生の頃、
研究室の教授が軽井沢に別荘を持っていると聞き、
夏休みに学生5~6人で押しかけ、無理を言って一泊させてもらった帰り、
折角来たから、軽井沢っぽいものをお土産に、と、
おしゃれな感じのジャム専門店のようなお店に入った時の事。

そもそも、私はパンよりご飯党で、甘いものが苦手なので、
「ジャム」と言っても「イチゴ」と「リンゴ」位しかイメージできなかったあの頃、
その店の中には、数十種類のジャムが並んでいて、
「アプリコット」とか「ラズベリー」とか、
ギリギリ聞いたことはあるかも、というものの他に、
「スイカ」とか「巨峰」とか、
「そんなのもジャムになるのか」という銘柄もあって、
かなり驚きつつ、家族への土産として「ジャム」を物色しました。

その時目についたのが、
今まで一度も、見たことも聞いたこともなかった表記の
「五味子(ごみし)ジャム」

自分が食べるつもりなど、ハナから無いので、
珍しそうなので、ネタにさえなれば、と言う思いで、そのジャム瓶を手に取り、
レジに持っていくと、店長さん風のおじさんから、
「これ、知ってて買うの?」
と、いきなり問われました。

「全く知らないし、見たことも聞いたこともなく、珍しそうだから買おうか、と」
と正直に言うと、すぐに、
「まずいよ! すごく。」
「とてもじゃないが、パンに塗ってなんて食べられないよ。」
との事。

いやいや、ジャム専門店が作っていて、店頭に並んでいるのに、
「作っている側が『まずい』って、言っちゃったらダメでしょ!」
と、突っ込んだのは当然のことです。

でも、店長さん風のおじさんは、説明してくれました。

「五味子」という名前の植物の実があり、
この果実は、薬的な扱いで、体調を整えたりする効果があること。

小さなスプーン一匙程度で、なめたり、お湯に溶かしたり、
紅茶にいれたりして食べるものであること。

かなり、苦くて、「美味しい」とは言えないけど、
この味が好きだ、と言う人も当然いて
定期的に購入する人はいる、ということ。

などなど。


スマホどころか、携帯電話もなく、
ネットも今のような情報量もなく、
「ワープロ通信」という言葉がまだ通じたころで、
新しい事は本で調べるより他に手段の無かった当時のこと。
「へぇ~」って、返事する以外のリアクションはとれず、
それ以上の情報を得る事も出来なかったですけど。


あらためて調べてみると、
この
「五味子」は、その実に
「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」の五味を含む
ことからこの名前なのだそうです。
「鹹」は「カン」と読み、「鹹い」と送り仮名を付けて、
「からい」もしくは「しおからい」と読むそうです。

つまり、
「すっぱくて、苦くて、甘くて、辛くて、塩辛い」
という、なんともすごい味。

つる性の植物で、
さくらんぼが葡萄の房のようになったような
赤い実をつけ、その実を食べます。
ジャム以外でも、生食もでき、お茶や酒にもなっているとか。

漢方薬では、生薬として
咳止めや喘息の症状緩和、汗止め、強壮等の
効果があるそうです。
また、このジャムを
お湯に溶かして飲むと喉を潤して声が良くなる」
という効果もあるとか。


今でも五味子ジャムを製造販売しているお店は、
軽井沢にあるようです。


で、当時の私が
「まずい」
「そのままでは食べられない」
とまで言われたこの「ジャム」をどうしたか、と言えば、
当然買いました!

家で、ちょっと舐めて、
「ニガッ!まずっ!」って、なって、
そのあとの記憶はありませんが。


「ゴミ」で「五味子」(ごみし)を思い出すという、
なんだか大変失礼な話ですいませんでした。

この記事を書いた人

斉藤 一則

斉藤 一則(株式会社マイザ)

事業企画担当。
遊休地や低利用建物の効率化提案から賃貸管理・リフォームサポートまで、建築・不動産関係が専門。
旅行好き。

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