冬場の三陸沿岸。
被災地の夜は人気も疎らと思いきや、白い吐息で活気づいています。
震災前はこんなもんではなかったです。
ここは何もなくなってしまいました。あそこも店が一杯ありました。
そんな中、再開した新しい店がポツリ。
翌月はポツリポツリ。
ゼロの次は1・その次は2・いまは4、と今度は増える番。
まだまだですが、月替わりで来るよそ者にはプラスの歩みが分かります。
まめぶ汁より、日本有数の養鶏地・久慈は何といっても焼き鳥。
製鉄・ラグビーの前から、三陸良港の釜石は寒鱈の刺身。
染み入る旨さの店を出ると、もう一軒いきましょうのご高配。
時刻も21時を過ぎ、さすがに人影まばらの径を行くと、お約束通り絶妙に
分かりづらいビルの2階にソノ店があります。
上等な革張りのソファに腰を下ろし、フレッシュなフルーツとハム・サラミ
をあてに人様のブラントンを頂戴する「宴」。
心地よいJAZZを聞きながら、ナッツとチーズ・クラコットをあてにCAVAが
すすむ「タウンホール」。
宴は縁で円。
hallは玄関で廊下で広間。
久慈のオーナーも、釜石のオーナーも、30はある客席を一人でゆったり
サーブ。こちらも自然と阿吽の寛ぎです。
震災から残り、もしかするともう何十年も前から変わらないhaulの時空間。
どの街にも必ず1軒あるはずのBARは、あの頃に戻り・今に向かう、復興
人たちのタイムカプセルです。
※画像と本文は関係ありません。
四方山雑記帳
東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし
タイムカプセル
この記事を書いた人
大志田 典明(ブレイントラスト&カンパニー株式会社)
マーケティングプロデューサー。
東北地域の中小企業支援をライフワークに、農・商・工の各分野で強い地域ブランドづくりに努める。
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