Facebookの投稿は基本はポジティブな情報を載せるカサマですが、珍しく怒りで吠えている投稿をしてしまったですよ。
世界の情報がネットワークで容易にアクセスできるこのインターネッツ時代だからこそ、ネットには載らない「現物」が集まる見本市=展示会の重要性は増しているような気がしますが、見本市を見るだけではなく出す側になったり、運営する側になったり、色々な立場を経験すると、何とも言えぬ経験をすることがあるのでした・・・。
2018年10月12日
【国際化】
日本の食品輸出エキスポ、行ってきましたよ!弊社アウトバウンドが本業です故。事務仕事のせいで、30分ぐらいしかこっちは見れなかったですが(6次産業エキスポ等と同時開催)。
完全にサインやPOPなど英語化され、輸出する気満々のブースもあれば、自治体系の日本語メインで英語併記系もあったり。前者では商談シートの英語版もかなり普及が進んでいましたな。
後者は日本語の方が大きくデザインされていること多く、たぶんカネを出す自治体担当者さんとかが「おれ英語読めねーから、日本語大きく!」とか「日本のバイヤーもターゲットで!」とか、かつて極東にあって亡国した皇国のような「目的の二重性」があったか、あるいはデザイン担当が「忖度」したか。
「あなたはターゲットじゃないし、あなたの意見いらないから」って、カネを出しているクライアントである自治体の担当者にちゃんと言えるディレクター、少ないので。
そんな中、それらをはるかに超える凄いブースを見つけちゃったですよ!!
「完全日本語」地域産品ブース・・・!!
パネルのポスターとかPOPとか説明カードに、(一枚商品カードをのぞいて)一切外国語表記がないの!
ありゃ?隠し持ってるのかなと思って、英語の資料くださいと頼んだら、出てきたのが何故か「VISIT OOOOOO」とか書かれた、まさかの県のインバウンド観光パンフッ!
オラ何だかとってもワクワクしてきたぞ?
試しに外国語できる人いますか?って聞いたら「今おりません」と。
くはっ、輸出商談会なのに、マサカの完全日本人ターゲットッ!
その県は、人口100万人を超える巨大な国際都市を抱えているらしいのです。数年前に巨大な津波に襲われた復興途上で、その過程で海外進出に積極的な事業者も増えてきて、それを言語やデザインでサポートする会社も生まれたらしいんですけど、いやはや。
(捕捉)
「展示会(見本市)は商談する場だから、練習とかじゃなくて主戦場でっせ。」
とある大阪弁を話す元伝説的カリスマバイヤー(会津出身)が良くおっしゃっていたのですが、東北地方の企業は展示会=見本市で未完成のものを出したり、商品を紹介するだけで商談する気がなかったり、というかせっかく名刺交換してもなぜかその後のフォローを全くやらずに「バイヤーさんから連絡来ないなぁ」と悩んでしたり、歯がゆいとのこと。自分が元とーほぐ人、というかガチの会津出身者だけに。
そう、地域パビリオン系に特に多いのですが、展示会は商談する場なのに、「テストマーケテイング」という言葉の下にマーケティングをしないで本当にテストだけしたり、商談の内容を報告させるのではなくて名刺交換した数を報告させたり。
今回のブースが「食材王国000ハラール対応食フェア」というコンセプト的には非常に良かったのに、なぜかちぐはぐな展示内容になったのは、プレスリリースを見ると「テストすること」が目的になってしまい、自治体担当者はコンセプト徹底を委託先に願い、受託者はマーケティング観点に対するコミットなしに忠実にそれを実現し、出展者の皆様がそれに巻き込まれてしまったのではないか?と、行政系ブース/パビリオンに関わったことのあるカサマ的には「良くある風景」として想像してしまうわけです。
しかし、であれば「テスト」の場としてリアクションメモを収集して分析したり、徹底的に試食コーナーを充実してアンケートを取ったり、あるいは出店者の商品やレシピを掲載したブースパンフレットを新たに作るなどのプロモーション支援があったり、色々できそうな気もします。
すると、まさかと思うのはあのような展示になってしまった最大の理由は、本ブースが出ていた「日本の食品輸出エキスポ」が幕張メッセのホール9-11で開催されていて、主催者側が「同時開催で六次産業化エキスポとか農業WEEKを1-8ホールでやっているから、日本人バイヤーさんもいっぱい来ますよ!」とか説明して、食材王国の人々はそれをうのみにしてしまったのではないか説。
(幕張メッセHPより転載)
しかし、実は「農業WEEK」で申し込んで入場証を首から下げていても、9-11ホールの「日本の食品輸出エキスポ」には入れないのだ・・・!
主催者同じ、食品系という意味でも同じ。それでも「日本の食品輸出エキスポ」は農業WEEKとは別物なので、別途申し込んで入場する必要があり、離れた9-11ホールに行くのはよほど興味があるか暇なバイヤーさん以外は「農業WEEKの流れで」行く雰囲気ではありません。
結局、県産品を日本で売りたいのか海外で売りたいのか、商談をしたいのかテストをしたいのか、その目的の齟齬が二乗になって誰にも訴求しないブースになってしまったのではないかと邪推するわけです。
結局それは、誰が悪いという話ではなく、全員がマーケティングを共有できなかった、その点に尽きるなと思い、独りカサマはクールに幕張メッセを去るぜ・・・!