中国人観光客の皆さんが、日本を観光するときに食べてみたいフードの上位が「ラーメン」だと聞いて、いやラーメンは中国が本場でしょう!なぜならラーメンマンは中国人だったから、と突っ込むジャンプ黄金期世代のカサマでありますが、実際、一言「日式ラーメン」と言っても地方によってあまりに多様であり、もはや単に「ラーメン」ではその実態が分からない昨今。
そんな中、「豚骨ラーメン」宗主国で味噌ラーメン専門店がオープンとなり、そこで究極の味噌ラーメンとマーケティングの粋を目撃したのでした。
9月26日 · 福岡県福岡市 場所: 味噌蔵ふくべえ
【福岡で味噌ラーメン専門店】
以前Facebookでちらっとご紹介した、福岡の大名町にある「味噌蔵ふくべい」に潜入ッ!
オーナーの福井さんは、ご存知仙台壱弐参横丁「一番五郎」の立ち上げメンバー。使っている味噌は仙台味噌ッ!
味は相変わらずの美味しさで、日本人の心の味である「味噌」の風味が印象的。
豚骨ラーメン王国博多で唯一の「味噌ラーメン専門」で殴り込みということで、地元テレビなどで紹介されるなど、話題とか(明後日も放送されるらしい)。
品質は完璧、つまり「基本価値」はクリア。あとは「付加価値」とそれの「見える化」。
ラーメンという一見すると「レッドオーシャン」の中、よりセグメントを細かく見直して発見した一筋の隙間、「ニッチ市場」の創出狙いの精密射撃型マーケティング。
マーケティング戦略の事例的にも注目なのであります。
場所(リンク) :福岡県福岡市中央区大名1丁目9-24 マザーハウス1-A 味噌蔵ふくべえ
<補足>
「ふくべえ」は天神から少し西に離れた、地下鉄空港線赤坂駅より南に徒歩5分のエリアに立地。周辺はラーメン屋の他、様々な飲食店が立地しています。
カサマがビジネススクールで習ったマーケティング理論では、そもそも同業ひしめくレッドオーシャンで戦うのは無謀。これからは誰もがチャレンジしていないブルーオーシャンにこぎ出せ!という戦略論がトレンドで、説得力を持っていました。
ところが、個人事業主を含む中小事業者のサポートを生業にした結果、ビジネススクールの最新理論がある程度大きな企業規模や組織力を持ち、または最先端の技術を持った事業者でないと適用が難しいと言うことが早々に判明。
そう、起業者の能力や資本力、そして人生のタイミングから「そこで今、戦わざるを得ない」。
しかしだからといってマーケティングを軽視しては、討ち死には必定。そんなときに役に立ったのが、伝統的なマーケティング理論である「STPマーケティング」などの、一見すると古い、保守的で基本的な手法。
この地方都市最大級の大繁華街・大歓楽街を持つ福岡で、人生のタイミングから「そこで今、戦わざるを得ない」時、何ができるのか?
そこに、オフィスと住居と飲食店が混在し、天神からギリギリ歩ける大名地区に、博多唯一の「味噌ラーメン」専門店という超尖った店で勝負するには、驚くべきSTPの緻密さが必要です。
分かりやすく例えるなら、それはまるで朝鮮戦争時に、主席に無理ゲー押しつけられた抗美援朝義勇軍の偉大なる司令彭徳懐が、さんざん悩んだ末に国連軍第8軍と第10軍の間にわずかな「隙間」を見つけ出し、全兵力をそこに投入し各個撃破しつつ敵中突破、国連軍を崩壊させた大胆な作戦指導に似ています。(え?意味が分からない?)
そう、中小事業所のマーケティングは、大企業のマーケティングよりもむしろ、メスで患部を少しずつ除去するような、実に精密なマーケティングと大胆な意思決定が必要。これが現代の商いなのだ・・・。
仙台で食べたことのある懐かしいあの味を博多で堪能しつつ、地方都市のマーケティング戦争の行く末に思いをはせ、カサマはクールに博多を後にするのでした。