杜の都"仙台"ッ!
緑豊かで風光明媚なイメージを外に発信する、センダイの「もり」。
ところがある休日の午後のひと時、地下鉄西端の八木山駅からちょっとハイキングしようと西に向かったところ、大自然が牙をむきだしたですよ。
2016年5月1日
【田園都市的仙台風景】
南中山実家近くの「狼石」からの風景。
あまり特徴のないと言われる仙台の風景ですが、北西部の丘陵地に広がる各巨大ニュータウンが、それぞれ緑で仕切られ配置されている風景はなかなか独特。
奥羽山脈の麓にまで、森に囲まれた大住宅街がクラスター状に存在する大パノラマ風景は圧巻。
20世紀初頭のハワードの田園都市構想を、そのままこの世に現出してしまったような風景。むかしドラえもんの世界で、森に囲まれた未来都市の景色が出ていましたが、リアルにアレ。
1970年代後半に建造が始まり、1990年代初頭に20年の歳月をかけて完成したこの風景は、都市と自然の融合という「20世紀の理想郷」を真面目に追求した、「昔の未来都市」の結末・・・。
そう、自分は今、21世紀という未来にいるのだ。
「日本昔話」の舞台にもなった「狼石」は、そんな時空を超えた感覚を感じる迷スポット。
私にとってはこれが仙台の原風景ですな。
などとインテリぶって仙台の森を解説した二日後・・・
2016年5月3日
【金剛沢散策】
日本最高標高地下鉄駅「八木山駅」より、金剛沢の「治山の森」に侵入。
この山は国見同様、水道局鈎取山配水場を山頂に地図にはない様々な水道施設が全体に点在し、ちょっとした古代遺跡探検的な。
とはいえ、地下鉄駅から30分でこんな景色が見れられるあたり、実に仙台らしいといいますか。
ところでここから戻っても良いのですが、ちとそれも興ざめである。
地図を見ると、おや?太白山を超えると茂庭台に入り、そこを北に送電線の下などを通って越えると錦ヶ丘と愛子が(以下略
その後無謀な突撃に・・・
2016年5月3日
【山中偵察行動】
昨日の金剛沢散策ですが、結局その後、太白山の横を抜け、茂庭台からさらに山中を抜けて錦ヶ丘経由で愛子に入り、街中に帰還するなど。
八木山駅までの5kmは自転車なので、およそ18kmほどが徒歩。
ヤバかったのが、茂庭台から錦ヶ丘に抜ける道。
予想以上に急峻で山中を迷い時間を浪費し、日の入りが近づいたタイミングでひとまず東北電力の送電線の鉄塔に出て位置を確認するなどして、暗闇の中を彷徨しながらなんとか帰還。
(上の写真、明るく見えますが、実際にはかなり暗くなっている・・・)
最悪ビバーク覚悟で、危うく低山遭難するかと・・・。
夜間の山中行動は某A大学時代の富士の演習を思い出しましたが、何しろ今回は単独行。
夜の森は野生生物の気配や、何となく「霊感」的というか、本能的な恐怖感がありましたな。
いや、山岳レンジャーの単独偵察とか、ホント、勇敢で凄いなぁと感心した次第。
ちなみに、5kgの装備と途中の山中を走った影響で、足はパンパン。
山岳レンジャーは20キロ背負って銃を装備しながら30km移動するわけで。途中戦闘とか、体力はもちろん気力的にも絶対に無理。。。
<追記>
「茂庭台から錦が丘まで、歩いていけるんじゃね?」
センダイ西部の住人にとって一度は考える妄想。しかし、どうもまともな地図でその経路を示すものもなく、とりあえずGoogle先生の衛星画像で事前に確認して「迷いの森」に突入するも、マジ低山遭難しかけました。高低差が予想以上で、尾根沿いの参道からは、直線距離でわずか20m先の下の沢道に降りれないし、そもそも目視できない。なるほど衛星情報だけではだめで、グローバルホークなどの航空偵察も必要だなとしみじみ思ったのですが、それはともかく、そもそも日没まで1時間しかないところで茂庭台から錦が丘に向かったのが運の尽き。
ぎりぎり地図があった経路が水害で崩壊しており、横道に入って東北電力の送電線の保線路を入るうちに大きく迂回することになり、いよいよ暗くなりつつある中全力疾走。奇跡的に沢道を発見して、沢伝いに脱出。
若いころ、富士の演習場で夜間偵察や歩哨の経験から「まああんなもんだろう」と思っていましたが、今回は単独作戦。とにかく暗闇の中での森の孤独感。恐怖のあまり、ものすごい勢いで山道を走ったのでメガネが曇り、スマホのGPS画像も見えないほど。この私がパニックになりかけるとは!?
(わりとリアルな茂庭台と錦ヶ丘の間、通称「センダイ・シュヴァルツヴァルト(Schwarzwald; 暗黒の森)」のイメージ(スターウォーズオンライン百科事典より))
実はエマージェンシーシュラフなどビバーク可能な装備を持っていたのですが、暗闇の森の中で、どうにも動物の気配と音が感じらる。人間暗闇の森に入ると、野生の本能が呼び覚まされ、感覚が恐ろしく研ぎ澄まされるようで、「数百m先から見られている」と「確信」があった。
実際この後、2016年夏はセンダイを含む東北地方がツキノワグマの猛威にさらされることになるのですが、ビバーク判断をしていたら、結構危険だったかもしれません。
この暗闇で敵に目撃されている感覚、懐かしいなぁ・・・。
というわけで良い子のみんな。
衛星写真画像だけでの山岳地域への部隊突入は危険だから、きちんと事前に威力偵察をしましょう(戦訓、はあと)