被災直後、余計な食料調達を全くせず、朝食昼食を最小限に、その代り毎日夕食だけ外食にしながら効果的に物資の家族持ちへの優先配付と体重を落とす通称「カンパネルラ作戦」を決行したカサマ。
しかし意図せず予定の倍のペースで、体重が落ちてしまいました。
もしかして節約しすぎた?
流石におかしいと思い、翌日より大量の備蓄が家あって、なぜか入手も容易なビールや日本酒の飲む量を増やしてみたのですが、それ以降も毎日順調すぎるぐらい体重がみるみる減っていきます。
震災前日69.8kg
8日目 67.2kg
9日目 66.4kg
10日目 65.2kg
12日目には64.8kgと10年ぶりに65kgを割り、さすがに顔が蒼くなりました。
僅か12日で体重の約7%が消失!
なんてこった、アルコールで体重制御はできない!?
頭の中の軍曹が私に向かって言っています。
「部隊の30%の損耗は全滅だ!このペースでは我が部隊は1か月で全滅します!」
きっとこれは、単なる脱水症状で体の水分量が少なくなっただけに違いない。などと思い、とりあえず缶ビールを2本ぐらい飲んだところでビールには利尿作用があってかえって脱水症状が進むことに気づいたり、もはや脳みその機能にすら何かしらの一部損傷が疑われる有様です。
確かに最近、普通に歩いてもなんだかふらふらします。
耳が聞こえなくなったり、めまいがしたりする日もありました。
てっきり酒の飲みすぎでふらふらしているのかと思ったのですが、直ちに影響はないもののどうもこれは栄養失調の可能性を疑わざるを得ません。
試しに被災8日目の食事を検証してみましょう。
朝食 :水、カントリーマアム1枚(49kcal)
昼食 :水、カントリーマアム1枚(49kcal)、米ご飯(約100g:170kcal)
夕食 :震災定食セット
ビールジョッキ2杯(400kcal)、マグロ丼(500kcal)、だし巻き卵(80kcal)
きんぴらゴボウ(約50g、70kcal)、野菜サラダ(ドレッシングなし、20kcal)
みそ汁(50kcal)
夜食 :日本酒一合(180kcal)
合計 :約1,570kcal
基礎代謝量を下回っているっぽいです。
更にくせ者なのが、一見カロリーが高そうなアルコール類の摂取量です。一日のカロリー摂取量の約37%をアルコールに頼っていますが、アルコールは代謝が早く、体内にエネルギーが残らないと言われています。
加えて、自宅->職場->国分町->自宅の、合計80分ほどのサイクリングも怪しい。
70(体重)*0.1207*80(min)*0.96(補正値)=648kcal
いい運動です。
「ひゃほー、震災ダイエットのおかげでズボンが緩く、ベルトを1cm短く切ったぜ!」
などとはしゃいでいる場合ではないことは明白です。
10日でウエストが6cmも減ったのですから。
こうした想定外の事態に対し、緊急に残った保存食を投入しましたが、瞬く間に在庫を消失。ついに外部からの食料調達を試みることとなりましたが、震災2週間を過ぎても相変わらずの食糧難。
被災中にもかかわらずいつもより人がごった返す仙台マルシェでリンゴを5個買うのがやっとなのでした。
食料欠乏!
まさか21世紀にもなり、一応先進国で餓死の恐怖を感じるとは思いませんでした。
こうして震災から約2週間が経った3月26日、ガスを含む全てのインフラが回復してプチ避難所となっていたカサマ自宅にて、友人が調達してくれた食料による焼き肉パーティーを以て、カンパネルラ計画の終了を宣言したのでした。