全国的に熊出没のニュースが増えているようです。
石川県では、駅前のショッピングセンターに熊が立て籠もったり、
福井県では、自宅の車庫に侵入していたり、
実際に襲われて被害にあわれている方も出ているようです。
宮城県でも、目撃情報等は他人事ではなく、
宮城県のHPには、
令和2年度クマ目撃情報等情報マップ
というページも有り、これを見ると、結構な数が目撃されています。
(上記リンク参照)
仙台市内でも、秋保、作並等の山間部だけではなく、
毎年ニュースになる青葉山周辺は元より、
今年は、花壇自動車学校の付近や宮沢橋近くの大年寺山でも
目撃情報があるようで、ちょっと驚きました。
これまで、熊の主な生活圏だった山奥と
人間が生活する都市部の中間には、
「里山」と呼ばれる、人間の手が入る山林がありました。
「里山」では、林業や山菜採取等、山林ではあっても日常的に人が出入りし、
必要な範囲での整備もされ、クマ等の森の動物達と人間の緩衝地帯として機能していたものが、
関連産業が廃れ、「里山」を整備する人もいなくなり、
緩衝地帯無しで、動物と人が接するようになったのも、
最近の熊出没増加の原因ではないかと、報道等でも言っていました。
熊としても、何も怖い思いまでして、人里に来たくはないのでしょうが、
長梅雨や異常気象で餌が減り、探している内に、
昔のように事前に人の気配を察する事の出来る「里山」がないばっかりに、
いきなり人里に出ることになってしまっていることも有るのでしょう。
とは言え、一度、人間が作る食べ物に味を占めれば、
次からは、それを求めてくるようにもなるでしょうし、
次第に出没・目撃数は増えていくのでしょうね。
昔のような住み分けを維持するためには、
「里山」の整備が必要なのでしょうが、
時間も経費もかかるその作業は、ボランティアでやり切れるものでもないですし、
とは言え、仕事としても成立しないのでは、
やろうと思ってもなかなかできるものではないでしょう。
日本では、人に危害を加えるような猛獣と言えば、
熊ぐらいしかいませんので、
ライオンやトラ、ワニや大蛇、等々と共存している国の人々から見れば、
まだまだ、手の打ちようもあるのかもしれませんが。
さて、下記写真は、先日、岩手県気仙郡住田町を訪問した時に見かけた看板です。
なかなか、怖そうな熊の絵で、普通に家が並ぶ道路沿いに立っていました。
ただ、ね、よく見ると、
「注意 熊出没」の看板の横に、「緊急ひなん所」
の表示が。
熊との遭遇というのも、かなりの緊急時だと思いますが、
熊が出没する避難所と言うのも、すごいなぁ、と思いました。
また、付近には、こんな感じの漫画的な小学生の人形が居たかと思うと、
もっと美形の小学生看板もあり、
これらの並びで「熊出没」というのがまた、なんとも。
そうそう、住田町と言えば、少し前に新しくなった町役場が、
木造で大変素敵な建物でした。
エントランスホールもこんな感じ。
隣接する消防署も木造。
また、先ほどの「熊出没」の看板の近くにある「浄福寺」には、
チェーンソーアートで掘られた「親鸞聖人」がいらっしゃり、
街を見下ろしていました。
と、唐突に住田町のプチ紹介を挟んでしまいました。
とにかく、人も熊もコロナも、
色々と共存していくことを考えないといけないこの時代。
一方的な都合で判断せずに、広い視野で対応を心掛けることが必要なんでしょうね。