今週末の日曜日は、3月3日の「ひなまつり」
母親以外に女性のいない家庭で育った私としては、
「ひなまつり」とは縁のないまま大人になってしまい、
思い出も思い入れもないので、
興味もあまりなかったのですが、
フト、「『ひな』ってなんだ?」と気になりまして。
「雛(ひな)人形」って言いますが、
これって、「ひな」の人形なの?
じゃぁ、「ひな」って何?
鳥の子供を「ヒナドリ」って言いますが、
これって、関係あるの?
・・・と、思った次第です。
調べてみると、
「ひな祭り」の起源に関する記事は色々出てきて、
古くは「ひいな」もしくは「ひひな」と呼ばれていて、
子供の遊び道具としての、土や木でできた人形をそう呼んでいて、
これがその後、雛祭りへと変わっていった、
という話は分かりましたが、では、何故、
その人形を「ひいな(ひな)」と呼ぶのかが分かりません。
そんな中、やっとたどり着いたのが、
「鳥の幼鳥(雛)の鳴き声が『ヒヒ』と聞こえたことから、
「ヒヒ鳴く(なく)」→「ひひな」→「ひいな」→「ひな」
と変化した。」
という説。
と言う事は、
①鳥の子供を「ひな」と呼んだ
②小さな人形も「ひな」みたいに、小さくてかわいらしいから「ひな」と呼んだ
③色々あって、「雛祭り」が行われるようになり、飾られる人形が豪華になり、
「ひな」と言えば雛祭りの雛人形を指すようになった。
という、変遷なのかな、と。
当然、元が小鳥のヒナの鳴き声から始まっていますので、
鳥以外の動物の子供を「ヒナ」とは呼ばないのですが、
「小さくてかわいい」という意味と「幼い」という要素は、
他にも転用されて、「ヒナギク(雛菊)」等に使われたようで。
そもそも「雛」と言う文字の作りの「隹(ふるとり)」は、
尾を下げて地上にいる鳥の象形だそうで、
してみると、
いくら小さくても空を飛ぶ状態になった鳥は、「ひな」とは呼べず、
語源となった「ヒヒナク」鳥は、やはり「ひよこ」=「ニワトリの幼鳥」
のようです。
一方、その「ひよこ」の語源は?と調べると、
「ヒヨヒヨとなく子供の鳥」=「ひよこ」という説が主流で、
最初に紹介した「ヒヒナ」よりも後からできた言葉の様です。
・・・・鳴き声が、「ヒヒ」から「ヒヨヒヨ」になってしまいました。
現代では、「ひよこ」と言えば「ピヨピヨ」ですので、
この流れで行けば、「ひよこ」は「ぴよこ」に、
「ひな」は「ぴよな」になって、「ぴよなまつり」でも良いのかも。
とも考えましたが、
そもそも、古代の日本語では、
「は行(H)」の音は「ぱ行(P)」で発音していたとの研究もあり、
してみると、古代の日本人も、音的には、
「ぴぃぴぃ」「ぴよぴよ」と聞こえていて、そう発音していたと思われ、
逆に、元々は「ひな」ではなく「ぴな」だったのではないか、と。
・・・・・
ところで、最初に書いた通り、縁の無かった「ひな祭り」ですので、
そもそも「雛人形」の相場もよくわかりません。
で、調べてみると、
男雛・女雛2体の最小限セットでも29,800円~で、
上限は無限大、7段飾りで100万オーバーはザラのようで。
なのに、
先日、私がとある温泉ホテルの売店で見たお雛様は、
手書きの値札で、「500円」って。
多分中古なんでしょうけど、こんな感じで売っていて、
買う人はいるのでしょうか?
売り場的には、こんな感じ。
繰り返しますが、これ、温泉ホテルの売店です。
しかも、これ、10月頃です。
ところで、童謡の「うれしいひなまつり」の2番の歌詞は、
「おだいりさま と おひなさま~
ふたりならんで すましがお ~」
で、男雛は「お内裏様」ですが、女雛を「おひなさま」と唄っており、
やはり、単に「お雛様」と言えば、
女性のイメージなんでしょうね。
ちなみに、この「お内裏様とお雛様」は、
天皇・皇后両陛下をかたどったものですので、
平成天皇の退位と次即位の皇太子にも思いを馳せ、
今年の雛飾りを眺めてみるのも、アリなのかもしれませんね。