唐突ですが、「何故、貯金箱と言えばブタなのか?」という話。
先日、とあるTV番組でやっていたのですが、由来はこんなお話でした。
昔ヨーロッパでは、Pygg(ピッグ)と呼ばれるオレンジ色の粘土で陶器を作っていました。
19世紀のある日イギリスで、ある人が陶器職人に「Pygg(=粘土で焼いた陶器)の貯金箱を作ってほしい」と頼んだところ、陶器職人さんが「Pig(ピッグ=豚)」と勘違いして豚の貯金箱を作ってしまいました。
こうして聞き間違いというか勘違いというかでブタの貯金箱が誕生したのですが、もともと子沢山のブタには、子孫繁栄の信仰もあって、そのまま定着し、世界に広がっていったそうです。
・・・この「聞き間違い、勘違いが、そのまま定着」っていうパターンは、他にもあったなぁという記憶があり、調べてみました。
●カンガルー
確か、キャプテンクックがオーストラリアに上陸し、カンガルーを見て「あれは何だ?」とアボリジニに聞いたら、アボリジニは「私は知らない」という意味を現地の言葉で「カンガルー」と言ったのに、キャプテンクックが名前だと勘違いして「カンガルー」という名前になってしまった、という話。
でも、調べたら、この話本当ではないらしく、現地語でカンガルー類を指す言葉「gangunrru」(=跳ぶもの、の意)が本当の語源らしいです。
●Yシャツ
Tシャツはなんとなく理解できるんです。広げて「T」字型になるから。でもYシャツは「Y」じゃない。
で、語源はというと、有名な話ではありますが、外国人が「ホワイトシャツ」と言っているのを、「ワイシャツ」と受け取り、それが定着したという話。
「Yシャツ」の「Y 」は、ただの当て字だったんですね。
確かに「ホワイト」なんてはっきり発音しないですもんねぇ。
「掘った芋、いじるな」って聞こえる日本人の耳には、「ワイ」って聞こえても仕方なし、と。
●シロサイ・クロサイ
「ホワイト」の聞き間違いといえば、シロサイの話。
シロサイやクロサイの実物を見ても、言うほど白黒していないじゃないですか。
あれは、シロサイの方がクロサイよりも口の横幅が広いので、現地の人が、シロサイの口を指差し、「Wide(ワイド)」(英語で幅広いという意味)と言ったところを「White (ホワイト)」と聞き間違えて、シロサイになったらしいです。
で、クロサイは、一方が白ならこっちは黒でいいんじゃね?くらいの勢いでクロサイになったという話。
●チューリップ
指差して間違えたといえば、チューリップ。
16世紀に、トルコに駐在していた神聖ローマ帝国の大使が、チューリップを見て、「何の花か」とトルコ人に尋ねました。
聞かれたトルコ人は、頭のターバンを指しながら「チュリパ(ターバン)のような形だ」と答えたそうです。
大使はそれを名前だと思い、チューリップの語源になったそうです。
なんで、形を答えたのか、が疑問ですが。
●月とスッポン
似ているようでも非常に違いがあるもののたとえですが、これもどこかでおかしなことに。
そもそもは「月と朱盆」が正解で、(赤っぽく光る)丸い月と赤く丸いお盆は、似ているけどぜんぜん違うという例えで、これなら、まぁ、よく分かるお話。
今、目に見える形だけは似ているけれど、実際はぜんぜん違うんだよ、と、それこそ池に映った月と朱盆を並べて諭す様など思い浮かべれば非常に含蓄のある話で、誰でも真面目な顔で耳を傾けますが、一方がスッポンになってしまうと、なんだか笑い話に。
しかも「スッポンの甲羅も丸いので、月と似ているけど違うという例えだ」と、元からスッポン有りきで説明されても、丸いものの代表が何故「スッポン」なのかと疑問に。
結局、どこかで「朱盆」→「しゅぼん」→「すぼん」→「すっぽん」→「スッポン」となったようで。
この手の話、個人的には大好物なので、いずれまた別の切り口でご紹介出来れば、と。
写真はとある街にある歯医者さん。
見づらいかもしれませんが、窓の横に診療時間などが書いてあります。
なのに、メインの看板は何故かカーリングの絵。
ここから始まって、遠い将来、ここに通っていた子供が『歯医者さんのことを英語で「カーリング」っていうんだよ』なんて間違って覚えて、それが定着していく・・・・なんてことはないでしょうが、何故カーリング?