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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

判じ物

かまわぬ.JPG

左の絵(というか「柄」というか「マーク」というか)を読める方は結構いますよね。

「鎌」と「輪」と「ぬ」で「かまわぬ」=「構わぬ」と読みます。

江戸時代に、着物の柄として町奴(まちやっこ)達が好んで身につけていたもので、「怖いものなんてないぞ」「どんなこともお構い無しだ」という心意気を示したもののようです。

後に歌舞伎役者の七代目市川団十郎が舞台衣装に使って、当時の庶民の間でも流行しました。

江戸時代には、このような、いわゆるクイズみたいな看板や文字表現が結構ありました。

そういったものを総じて、「判じ物(はんじもの)」と呼ばれています。

本当は、江戸時代の識字率の低さもあって、絵や形で表現したのがベースにあるようなので、

そういった画像を紹介するのも面白いかと思ったのですが、画像の紹介は色々と問題もあるので、

今回は、文字のみの判じ物をいくつかご紹介したいと思います。

頭の体操のつもりで、時間がある時にでも、しばしお考え下さい。

 

■何の商売をしているお店でしょうか?

1.「十三里」
hint:食べ物です。

(将棋の駒の形の板に)「歩」
hint:販売していません。

(まな板みたいな板に)わ」
hint:裏側には「ぬ」と書いてあります。

 

■どういう意味でしょうか?

4.「一斗二升五合」
hint:「二升五合」は知っている人も多いと思いますが。

5.「七里酒」
hint:お酒の種類です。

6.「木頭切月中破」
hint:これは、江戸時代ではなく、平安時代の小野篁の出題。文字遊びですね。

 

■難読苗字・・・これも一種の判じ物ですよね。

7.「小鳥遊」
hint:「少女遊」も同じ読み。シチュエーションで考えて。

8.「四月朔日」
hint:だいぶ春めいてきたところで。

9.「十(漢数字の10)
hint:一から数えてみれば・・・。

 

■何歳のお祝いでしょうか?・・・「白寿」は「百」から「一」を引いて99歳のお祝いです。

10.「茶寿」
hint:草冠は昔「十十」と二つに分かれていました。

11.「皇寿」
hint:「皇」は「白」と「王」に分けて考えます。

12.「華寿」
hint:これも「華」を分解します。

 

「字謎」という言葉もあり、いわゆる文字遊びですが、

単なる「当て字」よりも、もう少し面白さというか「洒落っけ」があると思います。

個人的には、こういうことを面白がっていた日本人が、とても好きだったりします。

IMGP0053.JPG

 

写真は、有名な函館の「金森倉庫」です。

この倉庫の屋号マークを「かなもり」と読むのも、

一種の判じ物ですよね。

 

 

さて、解答です。

1.焼き芋(さつまいも)屋
→栗よりうまい→「九里」「四里」うまい→9+4=13で、こういう看板が出たそうです。
「十三里」はそのまま「じゅうさんり」と読んで、さつまいもの事を指したそうです。

2.質屋
→「歩」は「金」に成るので、こういう看板を下げたそうです。

3.銭湯(湯屋)
→「板」に「わ」=「わいた」=「(湯が)沸いた」で、銭湯の営業中の看板。
裏は「板」に「ぬ」=「ぬいた」=「(湯を)抜いた」で、本日終了。
→江戸時代に良く見られたのは、「弓と矢」の実物を模した看板だったそうです。
こちらは、「弓(ゆみ)」を「射る」で、「ゆいる」=「湯入る」という意味だそうで。

4.ご商売、益々繁盛
→「一斗」は「五升(ごしょう)」の2倍。で、「ご商売」
「二升五合」は、「ますます はんじょう」で、判りますよね。

5.どぶろく
→七里酒→二五里酒→にごり酒→濁り酒で、濁酒(どぶろく)

6.不用
→「木頭切」で、「木」の文字の上に出ている部分を切って「不」
→同様に「月中破」は、「月」中を破るように縦線を入れて「用」
これは完全に漢字なぞなぞみたいです。

7.たかなし
→小鳥が遊べる状況というのは、鷹がいないということなので。
→その昔は、少女でさえ、鷹にさらわれたのでしょうか?

8.わたぬき
→昔は着物(綿入れ)の中身の「綿」の量で、気温対策をしていました。
→「四月朔日」の「朔日」は「一日」の意味で、4月1日は衣替えの日の意味でもありました。
→春になると暖かくなって、「綿」を「抜く」季節になることから。
→尚、旧暦の「四月朔日」は現在の暦では5月の中旬頃にあたります。
→また、「四月一日」で「つぼみ」とも読むそうです。
→日付の苗字には、他にもこんなのがあるようです。
→「六月一日」・・・「うりわり」「くさか」
→「八月一日」・・・「はっさく」「ほずみ」
→「十二月一日」・・・「しはすだ」

9.つなし
→数字を数えて、「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」・・・と続け、「十」だけは、語尾に「つ」がつかないので。
→漢数字一文字の苗字には、他にもこんなのがあります。
→「一」・・・「にのまえ」「よこいちもんじ」
→「九」・・・「いちじく」

10.108歳
→草冠の「十十」で20、「茶」の下の部分を分解して「八十八」、足して108。

11.111歳
→「皇」の上半分「白」は、「百」から「一」引いているので99
→下半分の「王」は、「十」と「二」の組合せなので12。足して111。

12.60歳
→「華」の字を分解していくと「十」が六個あるそうで。

※「判じ物2」の記事も書きましたので、ご興味がおありでしたらそちらもどうぞ。

この記事を書いた人

斉藤 一則

斉藤 一則(株式会社マイザ)

事業企画担当。
遊休地や低利用建物の効率化提案から賃貸管理・リフォームサポートまで、建築・不動産関係が専門。
旅行好き。

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