支援機関の窓口には、今日もいろいろな人が相談に来ます。
倉庫が流されたり、店舗が壊れたり。
商売を続けたいので、何か支援はないですか。
ざっくり言ってしまうと、商売の支援策は融資のみ。
個人のように、見舞金や建物補修の補助金はないのです。
商店主も従業員も、自宅の被災には見舞や補助があるので、本来
は比べる支援策ではありませんが、暮らしと商売・家族と従業員が
ずっと一緒の環境だった商店主にとっては割りきれません。
相談員の真紅一点、ユキコさんは、とにかく御相手の話を伺います。
答えは同じでも、ユキコさんに相談したヒトの多くは、話を聞いてもら
って良かったと、チョット元気をもらって“現場”へ戻っていきます。
事業補助がナイことに不満寸前の、傷ついた商魂を助けるのは、お
金だけではないのです。
全て流されてしまったこと、泣く泣く従業員を解雇したこと、何として
も再開したいこと。
ニュースに登場しない沢山の中小商店主たちのドラマは、似ている
ようで、一つ一つ違います。
ほんとに大変でしたでしょう、よくそこまで頑張りましたね。
診断や判定ではなく、親身な“相談”が、かつて裸一貫で創業した時、
あの日先代から継いだ初志を、もう一度想い興す「再起動力」のスイ
ッチを入れてくれるのです。
自身のご実家がある気仙沼で工場を被災したユキコさん。
あなたもよく頑張りましたね。
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