少子高齢化や人口減少に伴う市街地空洞化を避けようと、地方の市町村では大規模な再開発が行われてきた。
多額の補助金を使い、高層のビルを建て、全国でも有名なキーテナントを誘致し、まちの活性化を図ろうとしてきた。
しかしながら、多くの地方都市での市街地再開発事業は失敗に終わっている。
失敗の原因は色々あるのだろう。来場予測や購入予測、建物維持費予測などの事業計画の甘さ等々。
多くの失敗の原因は、有名テナントが入ればまちが活性化するという、妄想ではないかとも思っている。キーテナントは民間企業であり、利益が出なければ撤退するのだ。
行ってみたい、買ってみたいという魅力を造りだせなっかた事も大きく響いているのだろう。キーテナントが撤退した後には、お決まりの行政の施設が入居する。これでは何のために多額の資金を投入したのか理解に苦しむ。
盛岡市の南、電車で20分ほどの処に紫波町がある。
JR紫波中央駅の西側に平成12年6月のオープンした開発事業「オガール紫波」があり、3年経った現在でも全国から170組以上の視察団が訪れ、まちではなかなか対応がしきれないほどだという。「オガール紫波」は駅西にあった町営地に役場を移転し、周辺に新しいまちづくりをした場所である。
何故、「オガール紫波」はそれほどに他の地方行政者の心を動かすのだろうか。
「オガール紫波」の開発事業には一切の助成金を使わず、民間連携で仕上げた新しいまちづくりの形なのである。
仕組み等の詳しいことは、HPに譲るとして、11月末の週末に東北都市学会の会合が盛岡市であり、エクスカーション行事として「オガール紫波」を視察してきた。
役場の企画課長の説明や視察を3時間ほど受け、今までに東北地方都市の再開発事業を多く見て来たが、なるほどすばらしい組み立てだと感心した。
只、一つだけこれからの役場のまちづくりの弊害になるのは、旧市街地の空洞化をどう処理するのか、大きな課題も残されている。