「東日本大震災」から2ヶ月が過ぎる。
被災地の行政は、地域住民のために寸暇を惜しんで復興のための努力をしているが、とても被災地の行政力だけで進むような災害ではない。国家存亡を左右する災害であり、政府はいつまでも有識者の話をきいている場合ではない、と思っているのは私だけではないであろう。
「菅政権は統率力・決断力が無く、実行が遅い。」と言う。私もそう思うひとりだが、今回の災害はこの小さな日本を世界に互して成長させ、経済大国日本を作るんだという長きに渡る自民党政権の一つの弊害であり、それに踊らされ真摯に日本国の将来像を考えてこなかった、我々国民の判断の甘さにこそ最大の原因があると思っている。
「想定外の地震が来たから・・・。」誠に自然を冒涜する言葉ではないか。少子高齢化に突入した日本に山を切り崩し、また海を埋め立てまでして住宅地を作る必要が有るのか。埋め立て地は地震が来たら液状化することなど、前から判っていたはずなのに。
今回の災害は歴史上初めてのことではなく、歴史を紐解けば、先人の言葉を聞けば、もっともっと被害が減少していたことは間違いない。1611年の慶長津波以来、400年ぶりに仙台平野を襲った大津波も真摯に歴史を紐解けば被害は減少していたはずだ。何故伊達政宗は松島に瑞巌寺を建てたのか。藩政時代、仙台平野の浜街道は何故あの場所を通していたのか。
弊社の近くに「蛸薬師」があり、若林区霞の目に「波分神社」がある。蛸とか波分とか変わった名前がついているが、これが仙台平野を襲った大津波に対する、先人の警告だったことは、今回初めて知った。今回の大津波も波分神社で波が分かれその西までは津波が到達していなかった。
復興の論議に今度は20mの堤防を作って、など自然を冒涜し不経済きわまりない施策を出さないことを切に願っている。歴史を知り真摯に自然と向き合えば、新たな自然豊かな日本国が出来るのではないか。
【蛸薬師】 仙台市太白区 【波分神社】 仙台市若林区