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ちょっと知りたい不動産の一口知識

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土地の売買に係る確定測量図のお話し。

●前回までは、ベトナムの現状について4回に分けて報告しました。まだまだ面白い話はあるのですが、それはまたの機会で・・・。

今回は、所有地を売却するときや土地を購入する場合に、事前のチェック事項として幾つかの必要な項目を処理しておく必要がありますよ。というお話しです。
一つは、用地の測量図を作成、または確認することです。土地の形状を表すものとしては、公図(昔からの形状を載せているものも多く、その土地の正確な面積等の情報を示しているとは限らない)、実測図(所有者本人の意 思だけで測量されたもの)、境界確定測量図(隣地等関係者が同意した境界に基づく測量図)がありますが、唯一境界確定測量図のみが、正当な所有地を表す図面です。

用地を購入した時に受領した確定測量図や以前に隣地地権者との間で確定された測量図がある場合には問題がないのですが、古くから所有する土地の場合は、確定測量図がない事が多いものです。
用地を売却する場合は、現況有姿(現在の土地の状態のままで・・・古屋があったらその状態で)の状態で取り引きすることも多いのですが、その場合でも決済時までには、境界の明示と確定測量図を要求されることが一般的です。なぜなら、購入した後で、隣地との境界で揉めたくないですから。

新しく造成した団地の宅地などを売却する場合は、販売会社から区画割り図の測量図を貰うので余り問題になりませんが、それでも古くなり所有者が変わると境界明示標(境界杭)が無くなっている場合もありますので、注意が必要です。
先日も多賀城にある昭和40年頃に購入した宅地の売却を依頼され、測量事務所に確定測量を依頼しました。この土地は3方が道路で南側隣地だけが他者の所有地でしたが、南側隣地が30cm程高く、コンクリートで低い擁壁が建てられていました。一般的にはその擁壁は南側隣地の方の所有物であろうと思っていましたが、境界確認で南側隣地の方に来て頂いて確認したところ、その擁壁は当方の依頼者が建てたものと判りました。当然にその位置に境界杭を埋め込んで測量したところ、謄本とほぼ同じ面積であることが確認できました。

確定測量とは、隣接所有者や道路管理者が一同に立ち会い、境界の確認をして境界標(境界杭)を埋め込み、間違いがなければ、本人及び境界の隣地所有者の全てが承諾の印を押してその土地の測量図を作成することです。そうすることにより、未来永劫、確実な自分の所有を証明することができます。時間と費用(大凡ですが一般的な宅地面積で50万円くらい)が掛かりますが、売却するしないに関わらず、確定測量図が無い場合は、早急に作成しておく必要があります。

境界確定は、お互いの所有者本人が生前中に行う事が大切で、所有者が亡くなり相続人が立ち会う場合は、「生前中、父(祖父)が言うには、この塀は父が建てた物だとか、あそこの植木は私の祖父の所有物だから、そこまで私の土地だ」などと、もめ事が尽きなくなります。また、隣地所有者の相続が発生すると、隣地の土地が配偶者や子供全員の共有物となる例も多く、その子供が遠くに住んでいる場合は、印鑑を貰うのが遅くなり決済に間に合わなくなる恐れもあります。画像1.jpg

自分の所有地を子や孫に引き継いだとき、後々のもめ事を回避する上でも、境界確定図を作成されたほうが良いと思います。

この記事を書いた人

松本 真明

松本 真明(株式会社マイザ)

再開発プランナー第100068号
土地&建物オーナー資産活用スペシャリスト
西友南仙台店定期借地事業、柏木分譲マンション等価交換事業

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