前回お話ししたように、ベトナム市街地の住宅は連棟式の間口の狭い(約4m)高層(3?5階建)長屋形式ですが、皆さんはベトナムの住宅についてどのような感想をお持ちだったでしょうか。私は、ベトナムへ旅立つ以前は、「ベトナムの住宅は木造住宅が多いのだろう」と思っていました。なにせ亜熱帯地域ですし、木材も豊富だろうと思っていましたから。
ではなぜ、市街地の住宅はコンクリート住宅が一般的なのか・・・私見ですが、ベトナムには日本のように杉などの針葉樹はありません。木々は多くの場合、広葉樹で、高級家具に使用される黒檀や紫檀が豊富に取れる所ですが、ご存じのように硬木で、加工がしにくいのです。街路樹にも紫檀が植えられていますが、木造住宅の技術的な問題と、国産材が硬く加工がしにくいため、木造住宅は広まらなかったのではないかと思っています。
ベトナム戦争(1975年終結)後、35年を経過していますが、今や完全に復興し21世紀に入ってからは不動産バブルの波が押し寄せ、大都市近郊には大型複合団地の建設や計画が目白押しの様を呈しています。
滞在中4箇所ほどの大型団地を視察しましたが、いずれも河口の広大な土地を開発し、商工業及び住宅団地を配し、活気に満ちあふれています。その中でもホーチミン市の近郊に建設中の「フー・ミー・フン団地」は広大なマングローブ林を伐採した場所で、今最もベトナム人憧れの団地として、高い支持を受けている開発地です。行政施設や商業施設、高級戸建てエリア、商店やスポーツジム等を併設した高層コンドミニアム群など、河の流れを活かした、それはすばらしい眺めでした。
分譲マンションの価格をみると、とても聞いていたベトナム人の収入(大卒で月収2万円)では買い手がいないのではないかと思う金額(年収の約10倍?30倍)や賃貸料(日本と変わらない)ですが、即完売という状況が続いています。ベトナムでは外国人は不動産を購入することができないのですから、不思議ですね。
その話は、次回にでも・・・。