ベトナムって共産主義政府だと知っていましたか?
過去1000年にも渉って中国に侵略され続けたベトナムですが、中国の共産主義とは少し思想が違うような気がします。
建国の父:ホーチミンは、ベトナムの精神的指導者として手厚くハノイのホーチミン廟に祀られていますが、「指導者(政府職員・国家公務員)は清貧であれ」と言うのが、ホーチミンの教えで、職員の給与も民間と比べてもかなり低く抑えられています。
共産主義の国ですから、当然に土地は国家のもので、国民が利用する土地には永久使用権が与えられており、国家の発展に寄与した人には、それなりの広大な土地が提供されるようです。
また、単独で外人や外国企業が土地を利用することを禁じており、外国企業が進出するには地元企業と合弁会社を設立し、土地を借りて事務所やマンション等の開発をすることになります。外国資本の企業に土地を貸す場合の期間は50年間で、その後のことはまだ明確に法律には定まっていないようです。
大都市である、ハノイ(人口650万人)やホーチミン(人口850万人)は活気に充ちており、大通りをバイクで通勤する様はまるで民族の大移動を彷彿させます。信号がないため、右から左からバイク・車・自転車が行き交い、その中を悠然と市民は歩いて横断するのです。日本の運転技術・歩行術では生きていけないかも知れません。また、25歳以下の世代が人口の57%という若い国で、50代以上の高齢者の姿は余り見かけません。その世代の人々はかのベトナム戦争で命を失ったと言うわけです。
主要通りの建物は、日本の江戸時代の街並み(江戸時代は道路に対する間口で税金を掛けたため、間口が狭く奥行きが長い、うなぎの寝床の街並み)より狭い間口(約4m)の建物が隣接建物と接して建てられており、独特の景観を見せてくれます。
人づてに聞いたところ、主要通りは通行量も多く商売も十分に成り立つので、そのような良い立地の場所は間口を狭くして多くの人に利用させようと考えられているようです。合理的ですね。ほとんどの家が1階は店舗・作業所、2?4・5階が居住スペースとなっています。戸建てのように見えますが、両サイドは隣家の壁と接しているため窓は無く、江戸時代の長屋の高層版とでも言えそうな景観です。
街場の店舗付き住宅は、日本の昔のように、祖父母から孫までが一緒に住んでいる大ファミリー形式なので、高層にする必要があるようです。・・・が、「ん!!」と思ったのは郊外に移動中に見た風景で100坪以上もありそうな敷地の一軒家が、街場と同じように間口の狭い4?5階建の建物を敷地に建てていることでした。お国柄なのでしょうね。