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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

タヌキ

先日見ていたTV番組で、外国人は「タヌキ」を知らない、というのをやっていました。

実は、タヌキ(狸)は、基本的に日本とその周辺にしかいなくて、
外国人では、見たことが無い人がほとんどなんですって。
タヌキの写真を見せても、ほとんどの外国人が「アライグマ?」って答えるし。

で、ちょっと興味をそそられたので、タヌキについて調べてみました。


■ネコ目イヌ科タヌキ属

タヌキは、「ネコ目イヌ科タヌキ属」に分類される哺乳類で、元来極東地域にしかいなかったそうです。
今から90年くらい前に、毛皮を取る目的で当時のソ連が輸入した、大陸産のタヌキが野生化して、最近はヨーロッパの一部にも生息しているようですが。

そもそも、「ネコ目」で「イヌ科」っていうのが分かりにくいですよね。
基本的に肉を食べる動物は、かつて「食肉目」という分類にされていたのですが、それが今は「ネコ目」という言い方にされているそうですが、代表が「ネコ」ってピンときません。
(ネコが悪いわけではありませんが。個人的には、ネコ、大好きです。)
なので、肉食動物は、ネコもイヌもクマもアシカも、みんな「ネコ目」ということらしいです。

で、「イヌ科」には、いわゆる「イヌ」以外にもオオカミやジャッカルが含まれ、さらに「キツネ」と「タヌキ」が含まれています。

生物学的な分類なのでしょうが、我々一般人にとっては、「キツネ」と「タヌキ」がそんなに近い種類なのだとゆう事に、どうにも釈然としない感じがありますが。

とにかく「タヌキ」は森林や湿地に適応した「イヌ」の仲間であるのは確かなようで。

「ネコ目」には、「イヌ科」とは別に「アライグマ科」があり、見た目の印象的には、こっちに「タヌキ」が入っていた方が自然な気がします。

■英語ではアライグマイヌ

「アライグマ」は英語で「Raccoon」(ラクーン)と言いますが、「タヌキ」は英語で「Raccoon Dog」と呼ばれるそうで、訳せば「アライグマイヌ」となるので、さらに混乱が増しますよね。

■「タヌキ」の語源

「タヌキ」の語源にはいくつかあって、
・「田の怪(け)」の転訛
・弓をいる時の皮手袋「手貫き」にタヌキの皮をつかったから
・人の魂を抜く動物、「魂(たま)抜き」からの転訛
・人をだまして「出し抜く」から
・「田猫」の転訛
等々、諸説あり、はっきりしていません。


■何故、人をだますと言われるか?

タヌキはびっくりすると一時的な失神状態になるそうで、そのような性質を「擬死」と言うそうです。
鉄砲で撃って、タヌキが倒れ、弾が当たったかと思って近づくと、まるで死んだふりをしていたかのように起きて逃げ出すことがあり、そのあたりから、人をだます動物という事になったらしいです。


■何故、化けると言われるのか?

もともと、野山に普通にいた動物で、人間の目に触れることも多く、人家に侵入したり、人の食べ物をあさったりすることもあったと思われます。
知らないうちに近くに来ていて、いきなり飛び出して驚かされたり、人の往来しかないところから、タヌキが出てくると、「さっきの人はタヌキがばけていたんじゃ・・」みたいに思ったり。
死んだふりするくらいですから、そうやって人を驚かすことから、「化かす(ばかす)」だけでなく「化ける(ばける)」という事になったんじゃないでしょうか?
「狐七化け、狸八化け」と言って、狸の方が狐よりも化ける能力は一枚上手とされていたようで、しかも狐は主に人を誘惑する目的で女性にしか化けませんが、狸は驚かすことが目的で何にでも化けることになっていて、このあたりの違いも、死んだふりの生態も含めて、人を驚かすことが多かったからだと思います。


■眉唾

狸や狐に会った時に、だまされないようにする「おまじない」で、眉毛に唾をつけるというのがありました。
これまた諸説ありで、
・狸や狐は、その人がだませそうか否か、を、その人の眉毛の数で見極めていたので、その本数が分からないように唾で固めた。
・唾には魔力を鎮める力があるとされていたから
等の話がありますが、いずれにしても「眉に唾を付ける」ことの本来意味は、「だまされないように用心すること」でした。
それが、「用心してなければだまされてしまうような、真偽不明の話」を「眉唾物」と言うようになり、現在では「嘘っぽい事」に対して、「眉唾だよね」と使うように。
って、現在の若者は使ってないか・・・。


■腹鼓

ポンポコのイメージがあるタヌキの腹鼓(「はらつづみ」。「はらづつみ」ではありません。)ですが、当然のことながら実際のタヌキがそんなことをしたりはしません。
野山から聞こえてくる音、それもちょっと聞きなれない音の場合、それを「タヌキが何かしている音だ」と昔の人が解釈して、その内に腹鼓の音ということになり、タヌキ=腹鼓になってしまったんじゃないかなぁ、と私は思います。

タヌキの皮を太鼓に使ったという話もあるようなので、そのこととの関連もあるのかもしれませんが。

日本語の手話でも「タヌキ」を表すのは、腹鼓を打つしぐさだそうです。

信楽焼きのいかにも腹鼓を打ちそうな立ち姿は、昭和になってからのモノだそうで、それまでにもあったデフォルメを利かせた動物の焼き物の流れだそうですが、いまで言う「ゆるキャラ」みたいなもんですよね。
「他を抜く」という縁起物として、未だに人気なようですね。


・・・・・・・・

昔話に登場するタヌキの話にまで触れれば、タヌキネタだけでも、相当にありますね。

いたずらしなければ、確かにかわいいです。

この記事を書いた人

斉藤 一則

斉藤 一則(株式会社マイザ)

事業企画担当。
遊休地や低利用建物の効率化提案から賃貸管理・リフォームサポートまで、建築・不動産関係が専門。
旅行好き。

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