1970年12月18日。
広瀬通の地下に一軒のBARがオープンしました。
マスターが最初に出したカクテルはマンハッタン。
では、ぜひ同じものを。
あの時は何回ステアしたものか、忘れるほどでございますねぇ。
ドイツのファンクショナルで美的なグラスへ静かに注ぎながら、
2回の大地震を越したバックバーから柔らかなLPが流れます。
グレンミラーを体感した世代ではないけれど
ムーンライトセレナーデはマスターの時代を共有させてくれます。
2015年12月18日。
45周年を迎えた店は、静かに閉まったまま。
今は大人物になったかつての駆け出したちの夢の跡、
物静かな作家の隠れ家、
小僧世代の背伸びの場。
カクテルを、世界で初めてホテルのメインバーに導いたハリー・クラドック。
困ったらバーへ行け、の合言葉そのままに、その名を冠したこの店には
アフターディナーの至福がありました。
マティーニ、ホワイトレディ、ギムレット。
もう観ることのできないマスターのフォルムですが、若きバーマンへ仙台の
ショットは継がれていくのです。
※最後の明かり。そして時代は次代へ。
四方山雑記帳
東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし
永遠のクラドック
この記事を書いた人
大志田 典明(ブレイントラスト&カンパニー株式会社)
マーケティングプロデューサー。
東北地域の中小企業支援をライフワークに、農・商・工の各分野で強い地域ブランドづくりに努める。
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