皆さんは陶板絵画って知っていますか。
簡単に言えば、絵を陶板(瀬戸物)に焼き付けたものなのですが、有名になったのは奈良県明日香市のキトラ古墳から発掘された、極彩色に彩られた壁や天井の絵画を後世に残そうと、その絵を陶板に焼き付けて玄武や青龍、天井の天文図などを残し保存したことでした。
中国や日本の遺跡を発掘すると、木材や金属は朽ち果てて原型を留めていないのですが、瀬戸物に焼き付けされてる食器や飾りなどは当時のままの色合いで出土され、当時の生活様式や芸術性がそのままの姿で現れ、現代の私達に多いなる驚きを持って評価されています。そう、瀬戸物に焼き付けされた絵は何百年経っても色あせることなく、また屋外展示にもその特性が発揮されます。
この陶板に絵を焼き付ける技術を開発したのが、大塚製薬の子会社である「大塚オーミ陶業㈱」で大型の絵(900×3000mm)の陶板焼き付けの復元を世界で初めて可能にしました。
大塚製薬は現在その大型陶板焼き付けを活用し、世界の有名な絵画を原寸大のまま焼き付け、「大塚国際美術館」として徳島県鳴門市に1000点余も展示する大型の国際絵画歴史美術館をオープンして好評を博しています。何せ、モネの睡蓮などは屋外に造られた池の周囲の広場に燦然と立てかけられて展示をしています。
以前から、この陶板絵画を活用し、広く日本人のみならず世界からの観光客が一つの場所で居ながらにして日本の歴史美術を鑑賞してもらいたいと、「日本歴史美術館」構想が進行しています。
来る9月19~21日まで長野県佐久市立近代美術館と広場で「陶板絵画って何だろう展」が開催されます。
約30点余の世界及び日本の絵画「日傘をさす女性、ヒマワリ、タンギー爺さんの肖像、風神雷神図屏風、加山又造氏のおぼろ、など」そして文化庁が後援しキトラ古墳の白虎,青龍、とともに本邦初公開の天井画も公開されることになっています。
芸術の秋の連休には是非、長野まで足を運んで、絵画鑑賞もまた良いものですよ。