東日本大震災からもう3年も経過しようとしています。
津波被災地の住宅地では、今後の津波被災を考慮して住宅は再建できないと地区計画が進められ、その土地を国が買い取るために第三者鑑定評価と言われる不動産の買取価格を決める作業を行っています。
不動産の鑑定評価とは、簡単に言えば、標準地価や路線価、周辺の取引事例や開発法などの係数を駆使し、当該土地の更地での評価価格を求めるの方法です。
今般、災害復興市営住宅の仕事を民間の協同組合より依頼され業務を行っていますが、市が第三者鑑定評価により提示した土地の評価にちょっと納得がいかないというか、なるほどそうゆう考えで評価するのかと考えさせられたので、記事にしてみました。
当該地は、平成27年開業予定の地下鉄東西線の駅より数分の好立地に位置し、当然に地下鉄開業後は大きく発展し、賑わいをみせるだろうとの場所であり、所有者も大きな期待を寄せていたのですが、鑑定評価の結果は予想の6割程度の評価でがっかりとさせました。
私も知り合いの鑑定士に事前に予想を聞いてみたのですが、地下鉄開業後の賑わいや発展性は予想不可能であり、そのような評価はできず、現時点での評価にならざるを得ないという事でした。話を聞けばそれもそうだと一応は理解したのですが、何ともやりきれない思いです。
但し、開業までに周辺で取引事例があり、それが予想を上回る価格で取り引きされている場合は、その価格も評価の比較対照にはなるとのことですので、多少は上乗せされることがあるのでしょうが。
と言うことは、津波被災地は住宅地としては利用できず、誰も買う人がいなければ相当に安く評価される可能性も有るわけですね。但し、未曾有の天災ということで、別な要素で評価するのかもしれませんが。