先日「3.11震災伝承研究会」が主催する震災遺構に関するシンポジウムに参加をいたしました。
「3.11震災伝承研究会」は県内の学識者などでつくる研究会で、私は当日配布をしたパンフレット制作のお手伝いをさせて頂きました。
「震災遺構」という言葉は新聞などで目にしていましたが、個人的には被害にあった建物というイメージしかありませんでした。
「3.11震災伝承研究会」では100年後の子供たちのために次のように震災遺構を定義し、遺構の重要性を考えるきっかけ作りになるような活動を行っています。
・大津波の脅威を伝える
(転倒建造物、被災家屋、破壊された防波堤、打ち上げられた船、地盤沈下、津波湾、河川遡上痕跡、住宅基礎、避難場所、等)
・慰霊の場として
(多数の方々が亡くなった場所や建物、仮埋葬地、等)
・そこにあった生活の記憶
(住宅地の基礎、学校等の建物、神社仏閣あと、等)
・震災に負けなった希望のしるし
(残った建造物、像、樹木、祠、等)
シンポジウムでは被災した女川第一中学校の生徒2名が社会科で行った津波対策として「絆を深める」、「高台へ避難できる町づくり」、「津波を記録に残す」という3つの対策を発表し、記録に残す方法としては、「津波到達点に石碑を建てる」、「小中学生向けの教科書を作る」、「倒壊ビルの保存」を行いたいと話していました。
まもなく震災から2年が経ちますが、親戚が被災し石巻、女川へ何度も足を運んでいる私でも、恥ずかしながら震災遺構の保存や撤去について深く考えたことがなく、今回のシンポジウムで改めて時間的な制約と合意形成の難しさを感じました。