飲兵衛管理栄養士の齋藤由布子です。
10月26〜27日、三陸国際ガストロノミー会議2020へ、IKI ZENチーム3人参加して参りました。
昨年に引き続き2回目の開催となる三陸復興イベント。
今回はコロナの影響もあり、メインゲストであるフレンチシェフのピエール・ガニェール氏とペルー料理シェフのガストン・アクリオ氏はオンラインでのセッションでした。
料理界の頂点を極めたシェフ達の言葉は、画面越しであっても非常に深くて胸を打つものであり、料理人・レストランは失ってはいけない存在だとあらためて実感。
特にペルー料理のガストン氏は、フレンチを学びに20代の頃渡仏し、数年修行した後にペルーへ戻った時「なぜあなたはペルー人なのにフレンチをつくるのか」とお客様から聞かれ、ハッとしたそうです。
それから彼は世界有数の食材の宝庫であるペルーの食材を使って、フレンチの技法を織り交ぜながら、ペルーの伝統料理を表現していきました。
「ペルー料理」がフレンチや和食等と並ぶ世界の料理カテゴリーの中に入ることを目指し、仲間を巻き込みながら彼の挑戦は始まりました。
それから20年、見事ガストン氏の夢は叶いペルー料理は世界の料理カテゴリーに登録されたのです。
さらに彼のレストランは世界ベストレストラン50にランクインし、セビチェやカウサ、キヌア料理など、日本でもよく見かけるポピュラーなペルー料理を提供する店は、世界中に展開するまでになりました。
そのガストン氏が、ペルーと三陸は距離的には離れているが近いと言います。
起伏の激しい海岸は地理的に類似していて、暖流寒流がぶつかっている海の恵が豊富なところ。
山地の農業が盛んなところ。
人々が温かく謙虚であるところ。
ペルーのリマは、津波や地震など大きな災害に度々遭うところ。
東日本大震災からの復興を成し遂げた三陸を、リスペクトしていると言いました。
三陸の食材の豊富さ、それは世界に誇るべきことだと。
豊富な食材がそこにあることがどれだけ恵まれ、料理人のモチベーションが上がるか。
食材に付加価値を与えるのが料理人の使命であり、美味しい料理を提供すればするほど、生産者のモチベーションも上がってその価値がますます高まることを力説していました。
ともすれば普通にそこにあり、当たり前のように感じてしまいがちですが、三陸・みちのくの自然の恵みは宝であることをしっかりと認識することから、サスティナブルな取り組みの重要な起点になるのだ、などと考えつつ、交流会で提供された美しい三陸BOX(元正榮 さんのアワビや短角牛入り))で乾杯。
コロナが治まったら、ぜひペルーに行ってみたいものです。
↓三陸BOX