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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2020年10月のアーカイブ

全国的に熊出没のニュースが増えているようです。

石川県では、駅前のショッピングセンターに熊が立て籠もったり、
福井県では、自宅の車庫に侵入していたり、
実際に襲われて被害にあわれている方も出ているようです。

宮城県でも、目撃情報等は他人事ではなく、
宮城県のHPには、
令和2年度クマ目撃情報等情報マップ
というページも有り、これを見ると、結構な数が目撃されています。
(上記リンク参照)

仙台市内でも、秋保、作並等の山間部だけではなく、
毎年ニュースになる青葉山周辺は元より、
今年は、花壇自動車学校の付近や宮沢橋近くの大年寺山でも
目撃情報があるようで、ちょっと驚きました。



これまで、熊の主な生活圏だった山奥と
人間が生活する都市部の中間には、
「里山」と呼ばれる、人間の手が入る山林がありました。

「里山」では、林業や山菜採取等、山林ではあっても日常的に人が出入りし、
必要な範囲での整備もされ、クマ等の森の動物達と人間の緩衝地帯として機能していたものが、
関連産業が廃れ、「里山」を整備する人もいなくなり、
緩衝地帯無しで、動物と人が接するようになったのも、
最近の熊出没増加の原因ではないかと、報道等でも言っていました。

熊としても、何も怖い思いまでして、人里に来たくはないのでしょうが、
長梅雨や異常気象で餌が減り、探している内に、
昔のように事前に人の気配を察する事の出来る「里山」がないばっかりに、
いきなり人里に出ることになってしまっていることも有るのでしょう。

とは言え、一度、人間が作る食べ物に味を占めれば、
次からは、それを求めてくるようにもなるでしょうし、
次第に出没・目撃数は増えていくのでしょうね。

昔のような住み分けを維持するためには、
「里山」の整備が必要なのでしょうが、
時間も経費もかかるその作業は、ボランティアでやり切れるものでもないですし、
とは言え、仕事としても成立しないのでは、
やろうと思ってもなかなかできるものではないでしょう。

日本では、人に危害を加えるような猛獣と言えば、
熊ぐらいしかいませんので、
ライオンやトラ、ワニや大蛇、等々と共存している国の人々から見れば、
まだまだ、手の打ちようもあるのかもしれませんが。




さて、下記写真は、先日、岩手県気仙郡住田町を訪問した時に見かけた看板です。
IMG_2454.JPG
なかなか、怖そうな熊の絵で、普通に家が並ぶ道路沿いに立っていました。

ただ、ね、よく見ると、
「注意 熊出没」の看板の横に、「緊急ひなん所」
の表示が。

熊との遭遇というのも、かなりの緊急時だと思いますが、
熊が出没する避難所と言うのも、すごいなぁ、と思いました。


また、付近には、こんな感じの漫画的な小学生の人形が居たかと思うと、
IMG_2465.JPG
もっと美形の小学生看板もあり、
IMG_2466.JPG
これらの並びで「熊出没」というのがまた、なんとも。


そうそう、住田町と言えば、少し前に新しくなった町役場が、
木造で大変素敵な建物でした。
IMG_2477.JPG
エントランスホールもこんな感じ。
IMG_2487.JPG
隣接する消防署も木造。
消防署.JPG
また、先ほどの「熊出没」の看板の近くにある「浄福寺」には、
チェーンソーアートで掘られた「親鸞聖人」がいらっしゃり、
街を見下ろしていました。
IMG_2461.JPG
と、唐突に住田町のプチ紹介を挟んでしまいました。


とにかく、人も熊もコロナも、
色々と共存していくことを考えないといけないこの時代。

一方的な都合で判断せずに、広い視野で対応を心掛けることが必要なんでしょうね。

近頃は、マスク不足の話題も全然なくなりましたね。
近所のホームセンターでも、50枚入りのこの箱で、980円(税別)でした。
IMG_1941.JPG
計算すると、1枚当たり、@約20円ですね。
「非医療用」だし、個別包装でもないし、製品によりけりなんでしょうけど、
不足していた時は、50枚入りで5,000円以上していたような。

ネット販売のサイトを調べてみると、現況最安値は、
50枚×20箱の1,000枚、税別・送料無料で、4,599円
という不織布マスクが出てました。
税込で、@約5円、ですね。

コロナ前は、50枚入りで500円位のものも、
普通に薬局店頭で売ってたと思うので、
もう、価格的には、元に戻ったという感じでしょうか。

で、
「マスク」「マスク」と、普通に口にしていて、
例によって、ふと、思ったわけです。

「マスク」って、英語だよな?

もうすでに、和製英語になっているとしても、
日本語としての表記は、ないのだろうか、と。

調べてみますと、
英語の「Mask」は、広義で「お面」の意味であり、
いわゆる「マスク」は、
風邪の時につけるマスク「a cold mask」
医療用のマスク「a surgical mask」
のように言うと出ていましたが、
世の中、これだけコロナでマスク騒ぎですから、
今なら「Mask」だけでも、通じそうな気がします。

ちなみにフランス語でも「masque」なので、
まぁ、大概「マスク」で大丈夫そう。

現在のようなマスクが、「マスク」という言葉と共に日本に来たのは、
明治の初期のようで、最初は工場の作業用に粉塵除けとして導入され、
「工場マスク」と呼ばれたようです。

その後、1918年(大正7年)のスペイン風邪の世界的な流行と共に、
今のようなマスクが普及していったようです。

なので、この明治期以降に日本に来た時には、
既に「マスク」という名称でしたので、
そのまま「マスク」が和製英語化したものと思われます。

しかしながら、それ以前でも、
少なくとも顔を覆ったりするものはあったと思われ、
それは何と呼ばれていたのか?

と思って、調べましたら、
1712年に発行された「和漢三才図会」に
「面衣面帽」という言葉が出ていて、これが近いもののようです。

そもそも、日本語的には、顔=面なので、
面を布で覆うものが「面衣」(めんい)と言うのはすごく納得。
「面帽」(めんぼう)の方は、帽子のように頭にかぶって、
顔を覆うものを、このように呼んでいたようです。

顔全体を覆うような、一般的な「お面」は、
能面や剣道の面もそうですが、
木製等、硬いものでできているのに対し、
「面衣面帽」の方は、同じ顔全体を覆うものでも、
布製だったりと、材質的な違いもあったのかも。

現在の「マスク」とは、ちょっと違う様相ですが、
イメージとしては、中国の皇帝が頭にかぶっている帽子みたいなヤツで、
顔の前にすだれみたいなのが垂れ下がって、顔が見えない、アレ、が「面帽」で、
ウエディングドレスの新婦が顔にかけているヴェールが「面衣」、
みたいな感じでしょうか。

いわゆる「フェイスシールド」など、
まさしく「面帽」なのかも。

残念ながら、
部分的に、特に口元のみを覆うモノの、
日本語の固有名は、私は、見つけられませんでした。

話しが飛びますが、
英語の「mask」の語源は、
アラビア語の「 maskharah」だそうで、
「道化者」の意味だそうです。

要は、日常的ではない容貌になることで、
そのために顔にかぶるものが「マスク」と言う事なんでしょう。

この語源を知ると、
欧米の人々が「マスク」をつけたがらない理由も、
非常に根の深い、歴史的に刷り込まれたイメージなのかもしれない、と、
ちょっと考えたりします。

日常的でない容貌になる、という意味では、
同じ語源から派生したのが「マスカラ」。

女性がまつ毛に盛る、アレ、ですね。

アラビア語の「 maskharah」が、
イタリア語の「maschera」(覆う)を経由して、
英語の「mascara」になったようですが、
いずれにせよ、「mask」と同源なのは間違いないようです。

「マスカラ」が「マスク」で、
「道化者」が語源で。

・・・・
まさしく「夜の街」で使えそうなネタですが、
お出かけの際は、「マスク」を忘れずに。



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