有田といえば磁器で絵付け。
磁も極上の白磁で、洗とした品の佳さと凛とした芯の強さ。
草場勇次氏は、土木技師が土いじりに転じて数十年。
せっかく白磁なのに顔料で染めて、という同人もいるのですが
白を鮮明にするには、極上の白を染るに限ると一言。
まるで金太郎飴宜しく、まるで園児の粘土細工宜しく、
白に青の同心円が年輪のように美しい棒を巻くや四つに切り、
切り口をつまんで鱗よろしく並べ出し、果ては布載せ叩いて
素焼きの型を包みます。
布から外された素磁は、裏も表も同じ柄。
見事な青海波は、絵付けに非ず練り上げの技法。
宋代に出来、現存技法に比較ない難儀な仕事も、美しきマーブルの
虜になった氏は、本日も黙々と練って巻いて切って伸ばすのです。
奥様も作家。この春、ご子息も三代目を継ぐ縁起の祝歳。
百年の時空単位の芸術が、少しく新しい感性を吹き込みながら
次の百年に向けて歩んでいる、歴史の一瞬に感謝です。
※艸窯 草場勇次作 練上焼締花紋ぐい呑
四方山雑記帳
東北・宮城・仙台マーケットの小ネタ小ばなし
2015年3月のアーカイブ
渡辺君は、塩竈のフルーツ王子。
本日は、本町通りまちづくり研究会の一員として、土曜のオヒルに
「まちゼミ」の大トリ務めて大講義。
何しろ、新鮮で真っ赤で甘酸っぱい、香り芳しイチゴを6種類も食べ
比べるというので、老若男女が参集です。
栃木のスカイベリー&とちおとめ、宮城の紅ほっぺ&もういっこ、佐賀
のさがほのか、そして福岡のあまおう。
農学的には、木になる実は果物で、草になる実は野菜なので、同じ
バラ科でもサクランボはフルーツで、イチゴは本当はベジタブル。
そんな事はお構いなしに昔から大人気で、平安の姫君も好んだそう
ですが、古書のイチゴは野イチゴ・木イチゴ。
なぜイチゴかというと、1月から5月に採れたからとか。しかし、もう
一説、王子いわく、野生のイチゴはフランボワーズのように小さい粒
がイクラのように密集していたので「魚血子」でイオ・チ・ゴ、転じて
イ・チゴだそう。チゴは稚児で乳子でもあります。
なるほど、苺は草実の母なり。
しかも、イチゴの粒粒は、正確には種ではなく痩果というれっきとした
果実!あのゴマ的なものは果肉で、その中に種がアルのです。
食べたくてウズウズしていたお客様も、ひょうひょうとしたイチゴ話に
夢中になって、何とも愉しい小一時間になりました。
店主が店から一歩出て、まちカフェで開くまちゼミ。
お客様も、普段の店とは別のカフェで、初めて聞く店主のナレッジ。
売買だけでないコミュニケーションは、互いに500円の価値アリ。
遊び心がクロスするマチづくり、実にグッドですね。
※生産者僅か5農家の見事なスカイベリー。
お買い物は塩竈市本町の渡邊果実店へ!