お気に入りの名古屋の紙屋は、世界中の手漉き紙の専門店。日本の
手漉き紙が和紙、エジプトの有名な手漉き紙がパピルス、扇子の張紙
もタペストリーも服地?もシェードも、あれもこれも手漉きの紙。溢れん
ばかりのアラウンド・ザ・紙の世界。良い洋紙もちょっとありマス。
もともとは紙の問屋さんが、利幅の薄い卸じゃやっていけないと、細か
い商いの小売り専門に業態転換。それが今では名古屋どころか全国
時々世界からお客が買いに来ます。石の上にも三年だネ。
白石ついでの店長マユミさん、いいえ、紙の上には十年です。
参りました、今年で17年目。スコッチならいい塩梅のエイジング。
まだまだ。まずは21年、できれば30年をめざします。
素晴らしい!30年といえばウヰスキーの熟成限界。
それがね、日本酒で35年がコレです。
ソムリエのジゾ氏、古時計なる小瓶を取り出し蕎麦猪口にちょい注ぎ。
うまい!何だコレは。
加茂川酒造が棚田米品種でも知られる“さわのはな”を醸した純米貴
醸酒。水ではなく、清酒で仕込んだ奥深い味わいは甘露の極み。
ご多分にもれず地酒の蔵は苦労の時代。もう畳むか、の時。長年売
れずに残った数百升をオオダナ酒販が半分助っ人買い取りし、銘柄
一新・300mlに詰めたるは、ジャパニーズバッテドモルトの'72・'73・'74。
35年以上、蔵で寝ていたリップヴァンウィンクルなのです。
紙問屋は、右から左に卸す荷捌き屋ではなく「紙の目利き屋」。
古い酒は、売れ残りの問題在庫ではなく「時をかけた稀醸酒」。
わが社・わが街の地域資源を独自の価値に着眼すれば、マイナス転
じて福となす。“独自性”こそ付加価値ですね。
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