GWに東京へ帰り、北鎌倉の散策を楽しんだ。
以前に北鎌倉にある建長寺や円覚寺などは拝観していたので、今回は反対側をブラブラ歩き、縁切寺で有名な東慶寺を拝観した。
東慶寺を知ったのは、大好きな時代小説家:隆慶一郎の作品に描かれており、機会があれば行ってみたいと思っていた。
東慶寺は、弘安8年(1285年)北条時宗夫人の覚山志道尼が開創した寺である。
女性の側から離婚できなかった封建時代、東慶寺に駆け込めば離縁できる女人救済の寺として、明治に至るまでの600年間、縁切寺法を守ってきた寺である。
一時寺法も有名無実の時があったようであるが、江戸時代には豊臣秀頼の息女が20世天秀尼となり、縁切り寺法を徳川幕府に認めさせ、東慶寺の寺格は一段と高まった。
隆慶一郎の小説では、寺に入る長い階段を体や所有物が道路から一歩でも階段にたどり着けば、縁切りは成就したとみなされ、たとえ大名の訴えでも退けられたという。
現在は臨済宗・円覚寺派に属し、男僧寺になっており、寺内庭園には様々な樹木が植えられ、今頃は花菖蒲が咲き乱れている頃ではないか。