過日、わが社の斎藤社員に組合のメンバーから、「知人が現在住んでいる田舎の活性化に取り組んでいるが、田舎の空き家をどうすれば良いのか判らないので少し話を聞かせてください」と電話があった。
空き家問題は前回のブログで書いたように、今年から対策措置法が施行され、今後全国各地でその取り組みが行われるのであろうが、私も以前から色々な構想を考えていた正にタイムリーな相談であった。
過疎地(限界集落)の対策は、その地域の持つ特性により様々なことが考えられるが、今まさに対策を施さなければさほど遠くもない将来に必ずや限界集落になりかねない町村は全国に数多く存在しており、既に何らかの対策を施している町村もあれば、これからどうしようかと悩んでいる町村も多いのではないだろうか。
今回の話は、県内有数の温泉地を以前のような活気のあるまちづくりをしたいと、首都圏から田舎暮らしの快適さを求めて移住した若き女性活動家の話である。よくまちづくりには、「若者・よそ者・馬鹿者」の三者の連携が必要であると言われているが、まさにそのよそ者の活動家のお話で、話の内容を聞くにつれ、是非協力したいと思わせる内容であった。
温泉地周辺には昔からの住民が何らかの作物を作り自営をしていた人が高齢となり、やがて天寿を全うしても、その家を守る子供は都会へ住み暮し空き家となっている家屋がそこかしこにあるのだが、その家屋の良い活用法が見いだせず答えを探しているという内容であった。
この問題はこの地域に限らず、全国の過疎地が抱えている重要な問題となっている。
話を聞けば、空家所有者の70%は売却したいのだという。商品の売買には当然に需要と供給のバランスがなければ成り立たない訳だが、田舎の不動産の売買には都会の市街地の売買とは違い、最初にそのものが一般の人に売買できるのかどうかを調査する必要がある。農地の中に建つ建物には特に注意が必要で、その土地が市街化調整区域ならば一般の人はその不動産を購入することはできないのである。
またその空き家を活かして、地域の活性化に資することを考慮するのであれば、その地域がもつ特性を世間に知らしめ、いかにこの地域に住むことが人生設計を有意義なものしてくれるのかをアピールする必要がある。
建物の賃貸と管理は口で言うほど簡単な作業ではないが、まず空家所有者の意向を十分に把握し、その地域に特化した構想でその他の所有者の意向も纏められるかどうかが、地域活性化への第一歩の作業になると、その内容等も併せて説明した。
まちづくり活性化に関わる空家対策は、今後益々重要さが増してくる作業であり、よそ者のこうした活動には全面的に協力をしたいと思うし、それと共に行政の協力も不可欠なものであり、地元・行政・協力者が三位一体となって取り組めば、少なからず良い方向に導けるのではないかと思っている。