津波被災地では、住民の安全・安心を優先させ、高台に居住地区を設ける高台移転計画を謳っていますが、高台とは山のこと、そうそう簡単に事は運ばないのが実情です。
私も現在津波被災地のホテル再建のため、高台に土地を求めその構想企画をしていますが、企業の移住計画は全て企業者負担が原則であり、建物建設に補助金が出ても土地の造成は別物。これが思った以上に費用と時間がかかるのです。
造成計画を市と協議し、道路を設け宅盤を計画高さまで削り取る。道路の配置や宅盤をどれくらいにするのかは周囲の造成計画ともからみ、ホテル単独では決められません。仮に30mの山を10m削って宅盤にするとの計画が決定がされれば、その土量の掘削、搬出に掛かる費用は優に数千万円を超すのです。
まず樹木の伐採、伐根、掘削、土量搬出、整地、道路取付と作業は山ほどあります。またインフラは何も整備されていないので、電力、水道の供給、雑排水・下水処理等行政との打合せも大変です。
被災地の瓦礫処理はあらかた終わりましたが、復興元年とは言え高台移転の作業は上記の通り大変で、遅々として進みません。