メンバーズブログ

ちょっと知りたい不動産の一口知識

借地権や立退き問題、分譲マンションの建替、大規模修繕から再開発まで、何でもお困り事や疑問にお答えします。

2011年5月のアーカイブ

大震災の被災から大分時も過ぎ、少し心に余裕ができたせいか時々外食に出る。先日、自宅の前の居酒屋に久しぶりに顔をだした。昔から知っている店だが、板前さんが代わったと聞いていたのでどんなものを出してくれるのかとの期待もあった。先客が一人いたが好きな「日高見」を飲みながらたわいない話をする。「親方は以前はどこの店にいたの。」「私が長く務めたのは三太郎ですね。」との返事。しばらくして板前さんと旧知の客が「私は秋田の生まれなんですよ。戊辰戦争の頃は秋田は裏切り者ですからね。」「えっ、そうかなー私はそうは思わないけど。」と話すと、「いやー、この前別の店で飲んでいたらそう言われたものですから。」とのこと。

確かに西軍(官軍かも知れないが、決して我々は賊軍ではない。)が江戸城を無血開城した後、東北に繰り出すおり、東北の藩は結束して西軍に対抗するために「奥州越列藩同盟」を結成した。その協議の中で早々と秋田の佐竹藩は西軍に与したことは間違いがない。しかしそれは諸藩の事情があり早々と自藩の行く末を表明したことであり、裏切りとは言えないだろうと思っている。

それを言うなら東北の雄:伊達藩は列藩同盟を強烈に纏め、会津藩とともに戦うべきではなかったか。私は江戸時代からの生粋の伊達藩の人間であり、榎本武揚が大鳥圭介、新撰組の土方歳三を引き連れ、石巻に寄港し、列藩同盟とともに戦おうと提案したとき、一緒に何故戦わなかったのか、今でも悔しい思いをしている。土方.jpg

歴史を語るとき、その場に居合わせない私たちは、史実家、小説家の書いた書物によりその流れを知ることになり、本当にそうだったのだろうかとの疑問を常に持ち続けている。

虎の威を借りた世良修三が、今風に言えば付き合いもない会社に来て役員を罵倒すれば、その部下は仇を取りたいと思うのは自然な流れであると思うし、司馬遼太郎が龍馬を書けば、時代の寵児として喝采を博す。でもそうだろうか。私が感じている龍馬像は、現代なら新進気鋭の経営者であり、武器商人にしか見えない。世良修三も坂本龍馬もその時代に会っていれば、すばらしい人物なのかも知れないが。

《大好きな土方歳三:5年ほど前組合の研修旅行で函館に行った際、一人抜けだしタクシーで土方終焉の地にある墓碑に手を合わせたことが懐かしく思い出される。》

「東日本大震災」から2ヶ月が過ぎる。

被災地の行政は、地域住民のために寸暇を惜しんで復興のための努力をしているが、とても被災地の行政力だけで進むような災害ではない。国家存亡を左右する災害であり、政府はいつまでも有識者の話をきいている場合ではない、と思っているのは私だけではないであろう。

「菅政権は統率力・決断力が無く、実行が遅い。」と言う。私もそう思うひとりだが、今回の災害はこの小さな日本を世界に互して成長させ、経済大国日本を作るんだという長きに渡る自民党政権の一つの弊害であり、それに踊らされ真摯に日本国の将来像を考えてこなかった、我々国民の判断の甘さにこそ最大の原因があると思っている。

「想定外の地震が来たから・・・。」誠に自然を冒涜する言葉ではないか。少子高齢化に突入した日本に山を切り崩し、また海を埋め立てまでして住宅地を作る必要が有るのか。埋め立て地は地震が来たら液状化することなど、前から判っていたはずなのに。

今回の災害は歴史上初めてのことではなく、歴史を紐解けば、先人の言葉を聞けば、もっともっと被害が減少していたことは間違いない。1611年の慶長津波以来、400年ぶりに仙台平野を襲った大津波も真摯に歴史を紐解けば被害は減少していたはずだ。何故伊達政宗は松島に瑞巌寺を建てたのか。藩政時代、仙台平野の浜街道は何故あの場所を通していたのか。

弊社の近くに「蛸薬師」があり、若林区霞の目に「波分神社」がある。蛸とか波分とか変わった名前がついているが、これが仙台平野を襲った大津波に対する、先人の警告だったことは、今回初めて知った。今回の大津波も波分神社で波が分かれその西までは津波が到達していなかった。

復興の論議に今度は20mの堤防を作って、など自然を冒涜し不経済きわまりない施策を出さないことを切に願っている。歴史を知り真摯に自然と向き合えば、新たな自然豊かな日本国が出来るのではないか。

蛸薬師本堂.jpg波分神社.jpgのサムネール画像

  【蛸薬師】 仙台市太白区                【波分神社】 仙台市若林区

                                           

この記事を書いた人

松本 真明

他のメンバーを見る

  • ちょっと知りたい不動産の一口知識
  • 四方山雑記帳
  • hariu Blog
  • めっけもん
  • 仙台・宮城のうまいもの&直売所めぐり
  • コバチャンの深〜い話
  • 小さなギモン調べてみました!
  • 建築と風景
  • ぽらぽら物語り
  • ほっとひといき!
  • マクロの眼
  • ローカル・グローバル
  • トキの目
  • 空飛ぶ「こころ」
  • 黒ひげのモノローグ
  • まるでかく
  • 女将のつぶやき
  • インフォメーションブログ