令和元年8月、大阪大学で目の角膜が濁ってしまい、失明の恐れのあった患者さんにIPS細胞から作った角膜を移植し、視力を回復することに成功したと報道がありました。いよいよips細胞による再生医療が始まりました。五年後くらいには一般の患者さんに適用できる予定とのことです。
歯の再生はどうでしょうか。現在多くの歯科大学で歯の再生医療について研究されております。しかしまだ実用化には程遠く、一般の歯科クリニックで治療できるにはあと三十年から四十年くらいはかかると思われます。
しかし、現在歯科において歯ぐき(歯周組織)の再生治療を保険で受けることができることは皆様ご存知でしょうか。歯そのものを回復するのではなく、歯周病で欠損してしまった歯の周りの骨などの歯周組織を少し回復できるいうものです。歯周病の歯ぐきの手術時にはの周りの細胞の再生を促すお薬を塗布するというものです。どんな歯でも周りの骨などが再生するわけではございませんが適用症を選択すれば回復を促すことは可能です。これも大阪大学で研究され、厚生労働省に認可されたものです。治療できるクリニックはまだ少ないですが、歯周病が気になっている方はかかかりつけの歯科医にご相談してみてください。
周明菊 (本文とは関係ありません)