先日、弊社管理の賃貸物件で「ゴミステーション」の新設をしました。
小型の賃貸物件の前などで見かける、こんな感じの物です。
ゴミ置き場に出されるゴミを散らかすカラスへの対策で、
入居者さんに色々ご協力を頂いたり、ネットをかけたり、
ネットの縁が開かないように押さえるものを工夫したり、
色々やってみたのですが、結局、こういうものの設置を
オーナー様にお願いしてご了承いただきました。
カラス対策に限らず、色々な形でゴミ問題はあるのですが・・・・
と、
ここまでの文章で「ゴミ」とカタカナで何度も表記しているうちに、
例によって本題から外れ、
また、ふと、「ゴミ」って何語?と、思ったわけです。
調べてみると、まちがいなく日本語で、
「塵」や「芥」の表記でも「ゴミ」と読み、
元は方言で、「木の葉」や「落ち葉」のことを「ごみ」と言っていたとか、
1960年代にどこかの行政が「ごみ箱」に「護美箱」の文字をあてて、
「仰々しい!」と当時は批判を浴びたけど、未だに使われてるとか、
そういう情報に行きつきました。
元が「木の葉」なら、「ごみ」は元は「こみ」で、
「こ」=「木」だったんですかね。
「木の実」も「このみ」って読みますしね。
などと、書き進めましたが、
「思ったほど広がらない話題だったな」などと、
またぞろ余計な思いがよぎったところで、ふいに思いだしたネタが一つ。
・・・あれは学生の頃、
研究室の教授が軽井沢に別荘を持っていると聞き、
夏休みに学生5~6人で押しかけ、無理を言って一泊させてもらった帰り、
折角来たから、軽井沢っぽいものをお土産に、と、
おしゃれな感じのジャム専門店のようなお店に入った時の事。
そもそも、私はパンよりご飯党で、甘いものが苦手なので、
「ジャム」と言っても「イチゴ」と「リンゴ」位しかイメージできなかったあの頃、
その店の中には、数十種類のジャムが並んでいて、
「アプリコット」とか「ラズベリー」とか、
ギリギリ聞いたことはあるかも、というものの他に、
「スイカ」とか「巨峰」とか、
「そんなのもジャムになるのか」という銘柄もあって、
かなり驚きつつ、家族への土産として「ジャム」を物色しました。
その時目についたのが、
今まで一度も、見たことも聞いたこともなかった表記の
「五味子(ごみし)ジャム」
自分が食べるつもりなど、ハナから無いので、
珍しそうなので、ネタにさえなれば、と言う思いで、そのジャム瓶を手に取り、
レジに持っていくと、店長さん風のおじさんから、
「これ、知ってて買うの?」
と、いきなり問われました。
「全く知らないし、見たことも聞いたこともなく、珍しそうだから買おうか、と」
と正直に言うと、すぐに、
「まずいよ! すごく。」
「とてもじゃないが、パンに塗ってなんて食べられないよ。」
との事。
いやいや、ジャム専門店が作っていて、店頭に並んでいるのに、
「作っている側が『まずい』って、言っちゃったらダメでしょ!」
と、突っ込んだのは当然のことです。
でも、店長さん風のおじさんは、説明してくれました。
「五味子」という名前の植物の実があり、
この果実は、薬的な扱いで、体調を整えたりする効果があること。
小さなスプーン一匙程度で、なめたり、お湯に溶かしたり、
紅茶にいれたりして食べるものであること。
かなり、苦くて、「美味しい」とは言えないけど、
この味が好きだ、と言う人も当然いて
定期的に購入する人はいる、ということ。
などなど。
スマホどころか、携帯電話もなく、
ネットも今のような情報量もなく、
「ワープロ通信」という言葉がまだ通じたころで、
新しい事は本で調べるより他に手段の無かった当時のこと。
「へぇ~」って、返事する以外のリアクションはとれず、
それ以上の情報を得る事も出来なかったですけど。
あらためて調べてみると、
この「五味子」は、その実に
「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」の五味を含む
ことからこの名前なのだそうです。
「鹹」は「カン」と読み、「鹹い」と送り仮名を付けて、
「からい」もしくは「しおからい」と読むそうです。
つまり、
「すっぱくて、苦くて、甘くて、辛くて、塩辛い」
という、なんともすごい味。
つる性の植物で、
さくらんぼが葡萄の房のようになったような
赤い実をつけ、その実を食べます。
ジャム以外でも、生食もでき、お茶や酒にもなっているとか。
漢方薬では、生薬として
咳止めや喘息の症状緩和、汗止め、強壮等の
効果があるそうです。
また、このジャムを
「お湯に溶かして飲むと喉を潤して声が良くなる」
という効果もあるとか。
今でも五味子ジャムを製造販売しているお店は、
軽井沢にあるようです。
で、当時の私が
「まずい」
「そのままでは食べられない」
とまで言われたこの「ジャム」をどうしたか、と言えば、
当然買いました!
家で、ちょっと舐めて、
「ニガッ!まずっ!」って、なって、
そのあとの記憶はありませんが。
「ゴミ」で「五味子」(ごみし)を思い出すという、
なんだか大変失礼な話ですいませんでした。