日常的に色々な調べ物が多いのですが、先日とある調べ物をしている時に、宮城県図書館のHPを見てまして、その中の「お調べもの」「レファレンス事例集」という、「ご質問があれば、こんなカンジでお答えしてますよ」的なコーナーがあったのですが、そこで見つけた言葉が表題の
「ツヅラポンポン」
です。
これ、いわゆる「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでゆけ~」と、子供がどこかをぶつけた時に使ったりする「おまじない」の宮城県方言なんだそうです。
具体的な使用例としては、
「ツヅラポンポン、痛(いで)えどご、あっつの山さふっ飛んでいげ」
・・・と、こんな感じ。
この「ツヅラポンポン」、一応「ちちんぷいぷい」が訛ったものらしいのですが、「ツヅラ」は多分「鼓」なので、そりゃ「ポンポン」するよなぁ、と、もとの「ちちんぷいぷい」よりも言葉的な意味がわかる分、訛りっぽくない気もします。
そもそも「ちちんぷいぷい」というのは、
「智仁武勇、御世(ごよ)の御宝(おんたから)」
という呪文が起源らしく、三代将軍徳川家光の乳母・春日局が子をあやす為に「知仁武勇は御代の御宝」(知力と武力に長けた貴方は徳川家の宝なのですから、どうか泣かないで下さい)と残したことに由来するという説と、仏教用語の「七里結界」(四方七里に邪を寄せ付けない結界をはる)に由来するという説があるそうです。
それにしても、「ツヅラポンポン」って面白いなぁ、と思って、他の方言がないかと調べましたら、関西では、
「ちんこのまじない」
と、言うという記事が。
用法は、
「おぉよしよし。ちんこのまじない、ちんこのまじない。もう痛たないやろ。」と、こんな感じ。
これは、「ちちんぷいぷい」の訛りではなくて、家を新築して移転するときに、居住安全や厄除けのために「鎮宅霊符」という護符を「鎮宅霊神」という中国の神様から受けたのだそうで、その「鎮宅」がチンコとなって、護符を受けるかわりにその名をとなえて指で撫でたのが由来らしいですが。
何故に「鎮宅」が、そうなったのか?
また、茨木弁として紹介されていたものに、
「ちぢらんかんぽん」
というのもありました。
これも「ちちんぷいぷい」の訛りかと思ったら、そうではないらしく、茨城県の県北では、昔吹いたと言う強風を『千々乱風』(ちちらんぷう・ちぢらんぷー)と呼んでいて、勝田市から那珂湊にかけてあった三つの村が砂で埋まったと言う言い伝えがあるそうで、この強い風で痛みを吹き飛ばす意味が元になっているとの話。
つまり、『千々乱風・千々乱寒風』が「ちぢらんかんぽん」に訛った、と。
おそらく、他にも地方によって色々バリエーションが有るのでしょうが、調べきれていません。
このような全国の「おまじない」を調べた本もあるようなので、それこそ図書館で探してみたいと思います。
※写真と記事は関係ありませんが、一応”梅雨”なので”紫陽花”を。