最近はTVをつけるとTPP。
認知度はすでにAKBより上ではないかと思うほど連呼されてます。
TPPが「環太平洋経済連携協定」の意味で、関税の無い自由取引を協定間各国の間で行なう話なので、日本の様々な産業に影響が出るかもと大騒ぎしているのは、周知のとおり。
ところで、「TPPって、何の略か?」っていうと、わりと答えられない人も多いようで。
正解は、「Trans-Pacific Partnership」。直訳すると「太平洋の連携」。
つまり、この言葉自体には関税がどうのこうのの意味は無く、こういう名前で呼ばれる協定の中身が色々とムズカシイ話になっているわけですよね。
と言うわけで、今回気になったのが、略語とその意味を直接的に(あるいは漠然と)結び付けて理解しているものの、略される前の言葉とは微妙に違うものって他にもあるのかぁ?という部分。
もしくは、単純に「これって元は何の略だったのか?」と、思ったものを調べてみよう、という趣向です。
(えー、もちろん、「TPP」について語ろうという気は全くありませんので、あしからず)
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FBI
映画やニュースでよく目に、あるいは耳にしていて「アメリカ連邦捜査局」のことだとは知っているものの、「アメリカ」の「A」はどこに入っているのかと思ったら、「Federal Bureau of Investigation」の略で、直訳すると「捜査の連邦事務局」。
「アメリカ」は入っていませんでした。まぁ、「FBI」と聞けばだれもがアメリカの組織だとわかるからなのでしょうねぇ。
CIA
じゃぁ、「アメリカ中央情報局」の「CIA」の「A」こそは「アメリカ」か?と思ったのですが、こちらは「Central Intelligence Agency」の略でして、やっぱり「アメリカ」は入っていません。
まぁ、考えてみるとその国の行政機関ですから、わざわざ国名を入れなくても問題無いと言えば、そのとおりではあります。
ちなみに、日本の警察庁の英語表記は、「National Police Agency」となっていて、やはり「日本」もしくは「JAPAN」は入っていません。
もっともこれが「NPA」とか略されて認知されていれば、私のように、「NPA」の「N」は「日本」の略ではないか?と思う人がいるのではないか、と。・・・・まぁ、いないですよねぇ。
NHK
イギリスの国営放送は「BBC-British Broadcasting Corporation」で「英国放送協会」と訳せます。
「NHK」は「日本放送協会」なので横文字で書けば「Japan Broadcasting Corporation」で「JBC」じゃないか!とも思うのですが、ご存知のようにこれが「Nihon Housou Kyoukai」の頭文字というのが、なんとも。
最近の若者は「NHK」を「なんか ヘンな カンジ」の略語として使うそうですが、ある意味、非常にリンクしているようにも思います。
とはいえ、まだ文節(単語)の頭文字のアルファベットを取っているだけ、わかる、といえば判ります。
それこそ「秋葉原」を「AKB」とするパターンは、漢字表記文字の頭でさえなく、「秋葉原」→「アキバ」→「AKIBA」→「AKB」という略語の音節の頭文字ですから、もう、何がなんだか。
JRA
「日本中央競馬会」のことですね。当然、最初の「J」は「JAPAN」でしょう。
でも「中央」とか「競馬」の部分はどうなっているのか?と思ったら、これは、「Japan Racing Association」の略だそうで、直訳すると「日本競争協会」。
単に「Race」というと、競争するもの全部を指すとおもうのでが。
たしかに状況から見て「レース」とだけ言っても「競馬」のことを指していると解釈してくれることは多々あろうかとは思いますが、とにかく名称の中に「馬」が入っていないことだけは確かです。
ちなみに、「JRA]になる前は、「NCK」(「Nippon Chuo Keiba-kai」の略)を使っていたそうで、これは「NHK」と同じパターンですね。
浴衣(ゆかた)
いきなりアルファベットの頭文字パターンから、大分変っちゃいますが、この「ゆかた」というのも実は略語です。もとは「湯帷子(ゆかたびら)」。
湯に入る時に着る帷子だったので、そのまんまの意味と文字ですが、これが略されて「ゆかた」となり、この言葉に入浴時の衣という「浴衣」の文字があてられたわけです。
なので、「浴衣」という文字のどこにも語源的な発音は残っていないと言う意味で、これもまた不思議な略語かな、と。
とはいえ、最初の三文字に略すというのは、ありがちなパターンではあるかもしれません。
ちなみに「帷子(かたびら)」とは裏地の無い一枚ものの着物のことで、「片枚(かたひら)」から来ているそうです。
しゃもじ
ご飯をすくうアレです。これを略語に分類するかどうかはギモンではあるのですが、室町時代からある「女房言葉」全体として、ある意味日本語的な略語かな、と思いまして。
「女房言葉」とは、当時の女性が使った「隠語」のようなもので、モノの名前を一文字もしくは二文字に略して、その前に「お」をつけたり、後ろに「もじ(文字)」をつけたりして言ったものです。
「しゃもじ」は、「杓子(しゃくし)」を「しゃ」に略して「もじ(文字)」をつけたというわけです。
略して付け足すというのは、ある意味特殊なパターンではあります。
他にも、
「ゆもじ」は、「浴衣(ゆかた)」の「ゆ」に「もじ」
「ひもじ(い)」は、空腹であると言う意味の「ひだるい」の「ひ」に「もじ」
等は、今でも使われていますし、今では使われないですが、
「すもじ」は、「寿司(すし)」の「す」に「もじ」
「にもじ」は、「大蒜(にんにく)」の「に」に「もじ」
「かもじ」は、「髪(かみ)」の「か」に「もじ」
というように、略してるのに元の言葉よりも文字数が多いというものまで色々あったようです。
ちなみに、あたまに「お」をつけるパターンでは、
「おかか」「おかき」「おでん」「おなら」などは今でも普通に使いますよね。
もひとつちなみに「おみおつけ」は「御御御付」と書いたりもして、物凄く丁寧に言った言葉だという話しもありますが、この女房言葉で考えれば、そもそも「飯」と一緒に出す汁物としての「付けもの」の「つけ」に「お」がついて「おつけ」となり、「味噌」の「み」に「お」がついた「おみ」と合体して、味噌汁を「おみ おつけ」と言うようになってとしたほうが説得力があるような気がします。
デカンショ節
民謡というか学生歌というか、で有名?なデカンショ節ですが、たまたま目にした資料にこの「デカンショ」が「デカルト」、「カント」、「ショーペンハウエル」の略語だという話しが出ていまして、「ホントかよ!」と思ったので。
一応書いておきますが、「デカルト」も「カント」も「ショーペンハウエル」も、歴史的に超有名な哲学者です。
MAP
これは、本当にそのように使われているのかどうかわかりませんが、「ミツカン 味 ぽん」を略して「エム エー ピー」と言う人がいるという話で。
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考えたら、「略語」という言葉も「省略語」の「略語」ですよね。
世界的に見て、日本人って略すのが好きな人種なのか、それとも略しやすいという特性を日本語が持っているのでしょうか?
これは、まぁ言わずと知れた「スタバ」です。
ミス○ードーナッツを「ミスド」
ケン○ッキーフライドチキンを「ケンタ」
マ○ドナルドを「マック」なんかも略語ですね。
関西と関東で略し方が違う言葉もあったりするので、
そういうのもまたいずれ調べてみたいです。