最近、"歴女"ブームもあって、テレビでもお城の特集をよく目にするような気がします。
ちょっと前の「タモリ倶楽部」でもやってましたね。
で、私としては、ふと、
「お城」って何で「しろ」っていうのか?
が、気になったわけです。
調べてみましたら、面白い話がありました。
もともとは、敵の攻撃を防ぐために立てこもるような構築物を「き」といい、
「柵」や「城」の文字を充てていたのだそうです。
その後「城」の読みは「き」もしくは「じやう」と音読されるようになります。
時は経って、奈良時代のころ、奈良山の背後の地域(現在の京都府南部)を、文字通り山の後ろなので「山背」と書いて「やましろ」と呼んでいました。平城京に都があった頃です。
そして794年(「なくよ(794)ウグイス平安京」って語呂合わせが有りましたね)、長岡京を経て平安京に遷都される時に、桓武天皇が「平安京」の命名と併せて、この地は、山河が要害となって自然のお城のようであるとの事から、「山背国」を「山城国」とするとの詔をだされたそうです。
このときに文字だけ「山城」にして読み方は「やましろ」のまま残したようで、この「山城国」を言う時だけ「城」を「しろ」と読み、それ以外の「城」は「き」もしくは「じやう」と読むのが正式で一般的でもありました。
ところが「山」が「城」なすところを「やましろ」と呼ぶようになり、また実際に山に城を造って国を治める時代が来たこともあって、実態とイメージと文字と読み方が見事にリンクしてしまったようで、中世後期以降、「城」を「しろ」と読むのが定着したのだそうです。
つまりは「しろ」と言う言葉には、もともと「城」の意味はなかったわけで、桓武天皇の思いつきと後世の人々の感覚から出来た言葉と言うわけです。
おもしろい話だと思いませんか?
そうすると、ついでというか、「家」が何故「いえ」なのか?が気になります。
こちらは諸説あるようですが、旧かなでは「いへ」なので、
「寝戸(いへ)」や「睡戸(いへ)」が語源であるとの説にいきあたりました。
「家」は寝る場所と言うわけです。
他にも、「い」は接頭語で「へ」は容器を表し「人を入れる入れ物」の意味だとか、
「小さな家」を表す「庵(いほり)」の「いほ」と同源だとかの説も有りましたが、
私的には、やはり「寝る場所」というのが最もしっくりきました。
ちなみに「おうち」の「うち」は「内(うち)」「外」の「うち」から来ているようです。
家の中は確かに「内」ですからね。
関西等で自分のこと(一人称=私)を「ウチ」と呼ぶのも、同源だそうです。
ここまできたら、さらにさらに、
「塔」は何故「とう」というのか?も気になりまして、調べました。
こちらは、梵語の"stupa"(ストゥーバ、卒塔婆のこと)からきているそうで、「塔」の漢字は、ストゥーバの音にあてられた漢字「率都婆」から「塔婆」に変化し、「塔」と省略されたことによるそうです。
あのお墓に建っている「卒塔婆」と同じなのですね。
着々と建設が進んでいるスカイツリーも、日本語の「塔」の語源からすると、
巨大な「卒塔婆」と言うわけです。
・・・・・なんか、これをテーマにして伝奇小説でも書けそうです。
※建設中のスカイツリーのちょっと前の写真です。首都高中環状線から撮影したものですが、今でもこれですから、完成時のインパクトは相当なものでしょうね。