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小さなギモン調べてみました!

建築・不動産から言葉のトリビアまで、仕事の中で見聞きした小さなギモンを調べて報告していきます。

2010年1月のアーカイブ

例によっていきなりクイズです。
次の①~⑥のうち「バルコニー」はどれでしょう?

ベランダ.JPG

例によって、答えは最後です。
ちなみに②は屋上庭園のような状態、⑥は1階の専用庭部分も含めて、です。

・・・・・・・・・・・・・・・

正直なところ、私自身「バルコニー」「ベランダ」「テラス」「ポーチ」の明確な区別が
今一つはっきりしないまま、使っていました。

特に「バルコニー」と「ベランダ」に至っては、呼ぶ人の好みでどっちでもよく、
実質的には同じもの、という認識しか持っていませんでした。

で、調べてみたのですが、ちゃんとした違いが有ることがわかりました。

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■バルコニー
建物の壁面から張り出した形で手摺りがあり、多くの場合、張り出した床面の下にこれをささえる為のブランケット状の部材があり、屋根がないもの。語源はイタリア語の「balcone」。

バルコニー.JPG

■ベランダ

建物から張り出しているところまではバルコニーと同じだが、これに庇や屋根がついて雨がかりが少ないもの。母屋とドア・窓等で仕切られていれば、四方に壁等があって、実際上は外気にさらされない屋内でもベランダに区分される。語源はヒンディー語の「barandah」(柱廊玄関の意)。

■テラス

建物、庭園、道路等から突き出た形で整備された屋根の無い
台状に整備された部分。ヨーロッパではバルコニーよりも特に大きいものをテラスと呼ぶ。建物の屋上利用も、屋根が無い状態であれば含まれる。語源は、フランス語の「terrasse」
(古フランス語で盛り土の意)。


 ■ポーチ
玄関、入口にあるベランダ状の屋根付の空間。本来の意味が「玄関」「入口」と言う意味なので、出入口にあるものしかポーチとは呼ばない。語源は、英語の「porch」。

=================

このように、それぞれ語源も違えば、意味も違い、一応の元となる区別はあるのです。

と、いうことは、
クイズの答え的にはどうなるかと言いますと、
①③は屋根があるので「ベランダ」、
②⑥は屋根が無い部分も有り、比較的広いので「テラス」、
⑤は庇状の部分はあるものの実質的には雨がかかるつくりなので「バルコニー」、
と、区分できるのではないか、と。

で、難しいのが④。建物から張り出していないので、厳密に言えば上記4つのどれにも当てはまらないんですよね。しいて言えば、周りを囲われていますから「ベランダ」の仲間になりますでしょうか。

 

しかしながら、ここ日本での実際の使用例を見ると、使う人の好み呼び分けてるようで、実際の建物に使われている表記に厳格な使い分けはあまり見られません。

特に集合住宅の「バルコニー」は、事実上屋根状の部分(上階の床ですが)があるので、本来は「ベランダ」に近いのでしょうが、これを庇・屋根と見なければ、やっぱり「バルコニー」になるわけで、どちらかのみを「正解」とするのは、無理があるのかもしれません。

さらには、「デッキ」「サンルーム」「コンサバトリー」等も考えると、もう「テラス」なんだか「ベランダ」なんだか・・・・

・・・・・・・まぁ、考えてみると、区別する事自体、あまり意味が無いのかもしれませんねぇ。
言葉の"響き"が良いかどうかと、その呼び名からイメージされるものに大きなブレさえなければ、日常生活で困ることは無いですから。
と、結局前回に引き続き、はっきりしない感じのお話になってしまいました。スイマセン。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後に建築とは何の関係もありませんが、小さなバックも「ポーチ」と言いますよね。
「化粧ポーチ」とか呼ぶアレです。

このバックの方の「ポーチ」は「pouch」と綴り、玄関前の「ポーチ」とは全くの別物です。
英語で「小袋、小物入れ」の意味で、「ポシェット」や「ポケット」等と語源を同じくする言葉であり、より正確に発音すれば「パウチ」の方が近いのですが、先に日本に入っていた玄関前の「ポーチ」と発音が似ていたために、和製英語として同じ「ポーチ」とカタカナ表記する言葉になってしまったようです。

「パウチ」といえば「レトルトパウチ食品」(ボンカレー等)の「パウチ」で、この「パウチ」こそ小袋の意味なのでした。
小さな袋に化粧品をいれると「ポーチ」で、カレーが入ると「パウチ」と呼ぶ、というわけではないのでしょうが、和製英語っていうのも面白いですよね。

って、「バルコニー」の話はどこへ言ったぁー・・・・・

 

私の担当ブログでは、建築・不動産の小さなギモンを調べてお話しさせて頂きます。

第1回目は、「フローリング」に関してのお話しです。

まずはいきなりクイズです。以下の4つの内、「フローリング」はどれでしょう?

フローリング.JPG

答えは、、、、ぜひ、最後まで読んでください。

・・・・・・・・・

『フローリングのどこにギモンがあるんだ?』という方も大勢いらっしゃるかと思いますが、

そもそも私、「フローリング」って言葉の元々の意味が何か?ということを大分後になって知りました。

「・・・リング」って部分が「ing」だとしたら「フロール」って何?みたいな感じでよく理解しておらず、漠然と「フローリング=長方形の木質系床材」と思っていました。

調べてみると、英語で書けば「Flooring」なので、「フロア+ing」で、まさしく「床材」のことなのですね。

ですから英語圏では、床に敷きこむものは全部「フローリング」で、木でも石でもタイルでも畳でも、「床材」=「フローリング」となります。(実際のところ、英語の発音としては「フローリング」というよりも「フロアリング」の方が近いかもしれませんが)

つまり日本で使われている「フローリング」は和製英語で、アメリカ人に日本で言う「フローリング」を伝えようと思ったら、「hard wood floor」とか「wood flooring」と言わないと通じません。

日本での「フローリング」の製造は大正2年に北海道で始まったそうですが、最初に誰が現在のような木質系で長方形の部材を継ぎ合わせたものを「フローリング」と言い始めたのかは、色々調べてみましたがよく分かりません。

古く日本で使われいた和風の板敷きに対して、洋風の部屋に使われるものを区別して言い始めたという話しもありますが、だったら「ウッドフロア」とかでも良いような気がしますよね。

さて、いまひとつすっきりしないままで、最初のクイズの解答ですが、ここまでの説明の通り英語での言葉の意味どおりであれば、すべてが「フローリング」です。

日本で使われる「フローリング」の意味では、正解は①番。写真では判り難いかもしれませんが、他のものは、それぞれ以下の通りです。

②・・・CFシート(塩化ビニール製のシート部材)

③・・・パーケットフロア(木質系ではありますが、このような貼り方をパーケット(寄木細工)フロアとして日本では区別して呼ぶことが多いです。)

④・・・コルクフロア(昔はコルクタイルと言えば正方形が主流でしたが、最近はこのような貼り方ができる部材もあります。)

・・・・・・・・・

フローリングの機能や製造過程、安全性に関する話しでなくてスイマセン。何せ、「小さなギモン」ということで書き始めてますので、今後も「えっ、そっち?!」みたいなテーマになるかもしれませんがご容赦の程を。

 

 

この記事を書いた人

斉藤 一則

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