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ちょっと知りたい不動産の一口知識

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2016年2月のアーカイブ

 少子高齢化・人口減少に悩む地方都市の現状は政府が発表している以上の速さで、空洞化し、疲弊し財政難に陥っている。

片や、2020年の東京オリンピック開催に沸く首都圏は、今や日本では一人勝ちの様相を呈している。果たして日本の国土経営はこれで良いのだろうかと、常に疑問に思っていた。

「日本の常識は世界の非常識」とは、よく言われることだが、歴史ある日本の伝統文化には情に厚く、「おもてなし」や「もったいない」精神が、多くの外国の観光客に好意的にみられているのではないだろうか。

こと経営に関しては、今やインターネットの普及でグローバル化しなければ世界と対等に競争ができないことは、良く理解できるが、日本国をこれまでに成り立たせているのは、優秀な中小企業の存在があればこそである。

ましてや、首都圏だけで国土が成り立つわけではなく、地方の豊かさが今後の日本の将来を決める要素になるはずである。

しかしながら、魅力のない、働く場所のない地方都市からの首都圏への若者の流入は止まらず、小都市での人口減少は顕著で、2040年には若年女性人口が半分以下になる市町村は896に達し、日本の市町村の約半分は消滅するかもしれないとの国土庁の調査もある。

地方都市のほとんどの市町村は若年層の人口減少により、消費は低迷し、財政の困窮と市街地の空洞化は甚だしいが、この対策として昨年2月に施行された「空家特別措置法」は、久々に実のある法律の出現で地方を活性化に導くのではないかと思っている。

地方都市でも市街地活性化のために、多くの再開発がなされてきたが多くの場合は失敗に終わっている。成功に至らなかった原因はそれぞれの事情があるのだろう。多くの場合、全国的に有名なキーテナントが入れば事業計画通りに進むという、妄想にかられたものではないかと思う。大都市で成功しているものが地方都市でも成功するとは限らないし、民間企業であるテナントは採算がとれなければ、撤退するという現実を逃避した計画にこそ原因があるように思える。

昨年施行された「空家特別措置法」は、財政難に悩む地方行政にとっては少額(再開発事業に比して)の補助金で街中が活性化できるというメリットがある。詳細は後日記す機会があると思うが、若者主導で若者が起業する施設として活用できれば、雇用が増え、一石二鳥以上の効果があると思っている。

後は、行政がどれだけ力を入れてバックアップしてくれるのかと、その地方にあった取り組みができるのかがポイントになると思っている。

特定空家.png

この記事を書いた人

松本 真明

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