1948年5月、
仙台市に生まれた私は、高校を卒業するまで某スポーツの選手として、授業が終われば練習・練習の日々を送っていたのである。当然に同級生とも親しく青春を謳歌するという状況にはなく、書物に接する機会や読書などにも縁遠い生活をしていた。
春から秋までの土・休日は殆どが大会日で、市・県大会、東北大会、国体と全てがスポーツに費やされた青春時代であった。期末の試験などがあると、3日ほど前から徹夜で勉強し付け焼き刃の対応であり、試験の翌日にはすっかり問題さえも忘れていた。
そんな訳で、読書に親しんだのはその後のことで、今のように常に本に親しんでいる状況になったのは、多分35歳過ぎ頃からだろうと思う。
ジャンルも恋愛小説などは読んだこともなく、殆どが中国や日本の歴史小説中心の読書である。
好きな作家と言えば、中国歴史系では宮城谷昌光や北方謙三(三国志は吉川英治よりも面白かった)、浅田次郎(蒼穹の昴や壬生義士伝はお勧め)和物としては、池波正太郎(特に鬼平犯科帳が好き)、司馬遼太郎、藤澤周平、隆慶一郎などになってしまう。
最近読んだ本では、熊谷達哉(邂逅の森は面白い)、本年度の直木賞作家:葉室麟の蜩の記、山本周五郎の長い坂など面白く読ませてもらった。
でも何と言っても、若い頃から大好きなのは、「新撰組」に関する書物である。特に土方歳三の生き様には共感し、数々の本を読んできた。
下記の写真はその中でも好きな新撰組書物を写したものだが、先月東京の高田馬場に行った折り、駅前のビックボックス(黒川紀章の設計)1階で古書市をやっており、何気なく覗いたら、そこに有った本が加瀬谷直氏が昭和57年に書いた「土方歳三の最後」という立派な本で、これだ!といって即購入。初版本で1,500円というから当時としてはかなり高い本だが、「値段は」と聞いたら「500円です」とのこと。やったーと一人ほくそ笑む。
開いてみたら何と知人に差し上げた本らしく、全くの未使用。中には作者の自筆の訂正文が・・・。こんな事ってあるんですね。
ちなみに新撰組ファンの不朽の名作:子母澤寛著の「新撰組始末記」は昭和44年、新撰組の剣客:永倉新八の孫が書いた「新撰組顛末記」は昭和46年、「新撰組覚書」は昭和47年発行の本で、文庫本の「土方歳三日記」は、産声を上げた日から函館に死すまでの数々の記録により彼の生き様を著した書で、今年読んだものである。