地域の身近なスーパーや専門店が撤退し、車を持たないお年寄りが買物に困る例が全国の
都心部を中心とした団地に目立ってきている。
買物がし易い環境は生活の質を左右すると言っても過言でない。
高齢者には健康や近所の人とのコミュニケーションを保つうえでも重要である。
高齢者を「買物難民」にしないためにも、各自治体、町内会が率先し、JAや生産者グループと
協力して、利便性を主体に対策を考える時期が目の前に来ていると思われる。
経済産業省の商業統計によると、07年の全国の食品スーパーは1万7865店で99年より4.5%
減少。業界大手のI店などは、採算の悪い約30店舗の閉鎖を検討中など拠点縮小の動きも
でているようである。
その一方では、買物弱者を近所で守る応援団の人達も現れて来ている。
全国の模範例をちょっと紹介しましょう。
一つ目の応援団
・富山県・高岡市のNPO法人「買物くらし応援団」
この応援団は宅配サービスです。内容は地元スーパーと手を組み半径4キロ内の住民から
年会費1.000円で注文を受け、商品を1回100円で即日配達している。
このサービスは車の無い高齢者からは、重い野菜・米の持帰りがなくて非常に重宝がられて
いる。
二つ目の応援団
・茨城県ひたちなか市のNPO法人「くらし協同館なかよし」
このお店は、近隣の若い世代は車で3キロほど離れた商業施設などを利用しているが、高齢
の住民からは、「車が使えず買物が大変だ」という声が相次いだ。
そこで、この法人は近所の閉店した店舗を借り受け、地場野菜や手作り惣菜を売り始めた。
人気も売上げも順調に推移してきたので、次は食堂を併設し、昼時は住民で賑わう交流の場
となり、現在は書道、コーラス等趣味の場や、子供達を安心して遊ばせるスペースも確保し
地域の社交場になっている。
以上は、民間の有志が夫などの介護をしながら立ち上げた例である。
利益中心の考えでなく、利便性を原則に企画・実践し、利用者の喜ぶ笑顔がなによりの力に
なっているのである。
写真はイメージです
近年、地産地消の動きから農産品を中心に各地で朝市、直売所、道の駅が開設されている。
地元で採れる食材を選ぶことが地域の農業を応援する事に繋がります。
食材を選ぶとき地元産を探して見ると事がその一歩です。
生産者の今後の販路拡大策として、都心部の高齢化の進んだ団地の町内会等と手を組んで
定期的な市などの出張販売ルート開拓が考えられます。
流通・集荷など多々課題点がありますが、担当行政と協力して「高齢者の買物弱者」を
是非、応援して頂きたい。
合掌