メンバーズブログ

黒ひげのモノローグ

口・健康・食・旅、歯科医のひとりごと

2019年10月のアーカイブ

オゾンというとすぐ頭に浮かぶのが「オゾン層」。オゾン層とはオゾンが大気中の成層圏に存在しているものが層になり、有害な紫外線が地表に降り注ぐのを和らげてくれています。環境問題でよくオゾン層は取り上げられていますね。

このオゾンは強力な酸化作用があり、殺菌やウイルスの不活性化、脱臭などに有効だなんてみなさん聞いたことがありますか。これらの作用を使い、食品・農業・畜産や医療の分野で使われています。食品の殺菌をオゾン水で行った後は、残留せず食品の味も損ねにくくなります。使用後の洗浄が不要というのが最大の利点ではないでしょうか。

我々医療の分野では院内感染予防という重要な課題があります。手などを媒介して感染症などの菌が患者さんから医療者へ、医療者から医療者へ、医療者から患者さんへ広がって行くことです。そういった意味で手洗い・手指消毒は大切です。しかし医療従事者の中には手指消毒剤に負けてしまい手荒れを起こす方がいます。手荒れは細菌を運びやすくなり、また痛みなどがあると手洗いする頻度が減るリスクが考えられます。このような手荒れを起こしやすい方に手荒れを和らぐ手指消毒にオゾン水の手洗い機が有効だという報告もあります。

食品や農業などの業界で消毒剤を用いない殺菌をご検討の方々、このオゾン水のご活用いかがでしょうか。

IMG_1108.jpg

秋に咲くバラも綺麗です。

 令和元年8月、大阪大学で目の角膜が濁ってしまい、失明の恐れのあった患者さんにIPS細胞から作った角膜を移植し、視力を回復することに成功したと報道がありました。いよいよips細胞による再生医療が始まりました。五年後くらいには一般の患者さんに適用できる予定とのことです。

歯の再生はどうでしょうか。現在多くの歯科大学で歯の再生医療について研究されております。しかしまだ実用化には程遠く、一般の歯科クリニックで治療できるにはあと三十年から四十年くらいはかかると思われます。

 しかし、現在歯科において歯ぐき(歯周組織)の再生治療を保険で受けることができることは皆様ご存知でしょうか。歯そのものを回復するのではなく、歯周病で欠損してしまった歯の周りの骨などの歯周組織を少し回復できるいうものです。歯周病の歯ぐきの手術時にはの周りの細胞の再生を促すお薬を塗布するというものです。どんな歯でも周りの骨などが再生するわけではございませんが適用症を選択すれば回復を促すことは可能です。これも大阪大学で研究され、厚生労働省に認可されたものです。治療できるクリニックはまだ少ないですが、歯周病が気になっている方はかかかりつけの歯科医にご相談してみてください。

 周明菊 (本文とは関係ありません)

IMG_2539.JPG

この記事を書いた人

柏崎 潤

最近書いた記事

記事一覧

他のメンバーを見る

  • ちょっと知りたい不動産の一口知識
  • 四方山雑記帳
  • hariu Blog
  • めっけもん
  • 仙台・宮城のうまいもの&直売所めぐり
  • コバチャンの深〜い話
  • 小さなギモン調べてみました!
  • 建築と風景
  • ぽらぽら物語り
  • ほっとひといき!
  • マクロの眼
  • ローカル・グローバル
  • トキの目
  • 空飛ぶ「こころ」
  • 黒ひげのモノローグ
  • まるでかく
  • 女将のつぶやき
  • インフォメーションブログ