弊社(株)communaにて、平成30年度に宮城県より欧米豪向けインバウンド公式サイト「VISIT MIYAGI」の制作を委託頂いたですよ。「VISIT 0000」という都道府県のインバウンドサイトは国の交付金が元手になっていて、既にいくつかの県で立ち上がっているのですが、多くが「東京の大手」が手掛けた物。そんな中で弊社が県より評価いただいた提案は「宮城在住の外国人ライター(を発掘・トレーニングして)が、外国人目線で観光資源を選定し、執筆を行う」という点。地元在住外国人による「VISIT MIYAGI編集局」をオーガナイズしたわけですが、これは地元企業でないとなかなかできないこと。
実にマーケティング的な手法だと自画自賛(私は担当者じゃないけど)ですが、実はこれには我々世代特有の「起業によって自分の居場所を自分で作る」という避けられない行動原理があるかもなのでした。
2019年3月24日
【Visit Miyagi 完了&打ち上げ】
宮城県の欧米豪向け公式サイト「Visit Miyagi」の打ち上げを挙行するなど。
https://visitmiyagi.com/
オードブルはship street cafe よりヴィーガンメニューを調達。
これは美味い。
参加者を見ての通り、本サイトは「在宮城外国人ライター」による記事を集大成するという、首都圏の大手さんなどではまずできず、一方で仙台のような外国人が2万人近く住んでいる大都市がないとチーム編成も難しいという、実に宮城らしい「オンリーワン」のプロジェクトではなかったかなと。
アクセス解析によると、「ライター」プロフィールから入った人間が多いらしく、これは嬉しい誤算。
一方で三人のファクトチェック・チームや他にも画像チェックメンバーなども優秀で、仙台でもなかなかない「英語を使う仕事場」が一時的とはいえ存在出来たということで、震災以降にコミューナを作った意義・役割はあったようにも思い候。(このメンバーが全員女性だった点、個人的に色々所見がある)
今後、仙台程度の都市はいやでも世界の中の機能に組み込まれるわけで、こういう能力を持つ人々の「プラットフォーム」を、民間組織で「都市機能」の一環として維持していくのは、まあある意味で苟もそれ系の高等教育を受けたメンバーで設立した、市民としての責務でもありますな。
なんとかこのチームを一過性でなく維持していきたいので、皆さま仕事ください(笑)
(捕捉)
カサマが日本初の起業家養成公立大学であったところの宮城大学事業構想学部事業計画学科(改めてみると凄い名前だな・・・)に所属していて20年ほど前。「起業」することは、いわゆるマズローの欲求の5段階説でいうところの自己実現欲求の至高の行動のごとく教育を受けたんですな。
ところが世に放たれた2000年代前半は後に「就職氷河期」と言われる時代で、マズロー的には下位の欲求である安全欲求を満たす防衛手段として起業せざるを得ない世界に変貌。
実際、弊社の取締役を含む3人はフリーター出身(カサマ)だったり、自社でボーナスを設定するまで人生で一度もボーナスをもらったことがなく想像上の架空の設定(?)だと思っていたり、残業代をもらったことがなかったり、つーかそもそも代表は就職したことがなかったり、一般的な企業では長居はできないキャリア形成をしてしまっているわけです。
そんな中、数年前から出てきた概念が「自分で自分の居場所を作る」という、昭和50年代に生まれた起業家たちの行動原理で、有名なところだと引きこもり出身起業家の家入一真氏(1978年(昭和53年)生まれ)あたりでしょうか。実際彼は、仕事がほとんど長続きしなくて「残された最後の選択」として止む無く起業し、数年後に20代で日本最年少のJASRAQ上場を果たしている。そういえばZOZOTOWNの前澤友作氏(1975年(昭和50年)生まれ)も、ミュージシャン時代から実業界に来るエピソードが居場所作りっぽい。多分僕らの大半、経営者にしかなれない。経営者になって居場所を作るしかない。
これは恐ろしいプレッシャーだが、都市の機能という視点で見たとき、この居場所作りという活動は都市に埋もれた人材の発掘作業のような様相を呈していて、HRMの専攻者としてはなかなか興味深い。海外留学経験や外資系企業でのキャリアを持つただの主婦。交換留学を通して多元文化を違和感なく理解し、流ちょうに外国語を話す非正規バイト戦士の女の子。子育てひと段落で、ネクストキャリアを模索する高い士気のお母さん。
女子発掘とその方々の居場所構築が、地方都市でビジネスを進めるうえで大きなカギだと、しがない中小企業の取締役は「勘」として注視しているのでした。
もっとも私の場合、働く女子の発掘より嫁探しの方が懸案事項だがな。HAHAHA!